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【格闘技】

桜庭和志、一本スルリ ハレックのパンツがズルリ

2010年5月30日 紙面から

3回、ハレック・グレイシー(下)に右ひじを決められ苦痛に顔をゆがめる桜庭和志=さいたまスーパーアリーナで

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◇DREAM14

 ▽29日▽さいたまスーパーアリーナ▽8試合

 パンツが脱げて、一本も逃げた。不惑のIQレスラー桜庭和志(40)がグレイシー一族第3世代のホープ、ハレック・グレイシー(24)=ブラジル=に0−3の判定で完敗した。最終3回、アームロックが決まりそうになったが、ハレックのパンツが脱げそうになって一時中断、再開後に逆襲にあう不運もあった。グレイシーハンターとして一世を風靡(ふうび)してから10年。体力の限界もささやかれる中でのグレイシー狩り挑戦だったが、輝きを取り戻すことはできなかった。

 完敗だ。ツキにも見放された桜庭が、グレイシー狩りに失敗した。

 1回、突っ込んできたハレックにバックステップで反応したが、尻もちをついた。そのままグラウンドの展開になり、アームロックの体勢に。ホイラーやホイスを苦しめた必殺技がさく裂するか−と思われたが、決めきれなかった。

 峠を越した40歳の桜庭に対し、一族の復讐(ふくしゅう)に燃えるハレックは24歳。今回は88キロ契約での試合だが、通常体重だとハレックは10キロも重い。桜庭のスタミナは確実に削られ、2回は相手ペース。

 3回はケージ際で、桜庭がアームロックの体勢に入り、ビッグチャンスが到来した。だが、なんと、ハレックのパンツが脱げそうになり、レフェリーが中断を指示。同じ体勢で再開したが、あろうことかハレックの逆襲に遭い、ラスト10秒で腕ひしぎをかけられてヒヤリ。桜庭が「決まってない。大丈夫」とアピールしたところで終了のゴングが鳴った。

 もし、ハレックのパンツが脱げそうにならなかったら、桜庭の一本勝ちもあった。だが、本人は「練習では決まってる体勢。でも、(パンツが脱げたのは)運命」と達観する。

 最強神話のグレイシーに怒濤(どとう)の4連勝を飾ったのは10年前。かつて師と仰いだ高田延彦が引退したのは40歳のとき。同年齢の吉田秀彦は先月引退した。田村潔司や藤田和之も体力の衰えが叫ばれている。桜庭は“生涯現役”を掲げるが、この日の試合を見る限り、かつての勢いも輝きも感じられなかった。(竹下陽二)

 

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