福岡市で来月始まる歌舞伎の公演を前に、出演する歌舞伎俳優たちが船に乗って来場を呼びかける「船乗り込み」が行われました。
江戸時代に始まったという歌舞伎の伝統行事「船乗り込み」は、出演する歌舞伎俳優や一座の到着を知らせて来場を呼びかけるもので、福岡市では、博多座が開業した平成11年から行われています。30日は、公演を前に、人間国宝の坂田藤十郎さんや中村吉右衛門さんなど17人の歌舞伎俳優が、福岡市の中心部を流れる博多川を船に乗ってゆっくりと下っていきました。川沿いの歩道や橋にはおよそ4万人の人たちが集まり、紙吹雪をまいて歓迎したり、声援を送ったりしていました。続いて、博多座の近くで式典が行われ、母親が福岡市出身という市川染五郎さんが「私の体には博多の血が半分流れています。故郷に錦を飾るつもりで頑張ります」とあいさつし、会場を沸かせていました。博多座の公演は来月2日から26日までの日程で行われます。