宮崎県で家畜への口蹄(こうてい)疫感染が拡大している問題で、政府は17日午前、農水省の対策本部を鳩山由紀夫首相直属の本部に格上げすることを決めた。併せて、宮崎県に山田正彦農林水産副大臣をトップとする政府対策チームを設置し、地元自治体と一体となって、感染拡大防止や被害農家の支援に総力で取り組む。政府は対策強化として、関連法の改正・整備を検討する。
首相は同日午前、首相官邸で全国肉牛事業協同組合、日本養豚協会の代表者らと会談し、自らが対策本部の本部長に就任するとともに、家畜伝染病予防法の改正か特別措置法の制定を検討する考えを伝えた。政府は同日夕に、同本部の初会合を開く。また、会談に同席した筒井信隆衆院農水委員長は記者団に、首相自身も現地入りを検討していることを明らかにした。
この後、首相は赤松広隆農水相を首相官邸に呼び、2010年度予算の予備費から1000億円を対策に充てることを確認した。
一方、平野博文官房長官は記者会見で、現地対策チームの設置を発表。新たな措置として、高速道路周辺の消毒強化、家畜を殺処分した生産農家への手当金支払いの迅速化と書類の手続きの簡素化、特別交付税支払いの迅速化、広報消費者情報の提供を検討していると説明した。
[時事通信社]