沈没事件「誰もかばわない」―中国首相
韓国大統領、安保理提起へ協力要請
【ソウル上田勇実】中国の温家宝首相は28日訪韓し、青瓦台(大統領府)で李明博大統領と会談した。温首相は韓国哨戒艦沈没事件について、「国際的調査とこれに対する各国の反応を注視しながら事態の是非を決める」とした上で、「中国はその結果に従い、誰もかばわない」と述べた。青瓦台の李東官広報首席が明らかにした。
韓国の軍民、米国、豪州、英国、スウェーデンの専門家からなる合同調査団は今月20日、沈没は北朝鮮の魚雷攻撃によるものと発表。24日には李大統領が国民向け談話で北朝鮮を非難し、制裁措置を明らかにしたが、中国は慎重な姿勢を見せていた。
韓国メディアによると、ロシアは専門家チームを韓国に派遣し、事件の調査結果を検討した後、対応を決める方針。また韓国政府は中国に調査結果を説明するため専門家を派遣することを提案しているという。温首相の発言は、これらの結果次第で、北朝鮮を擁護しないこともあり得ることを示唆したものだ。
会談は予定の30分を大幅に延長し、約1時間半にわたった。李大統領は温首相に調査結果を詳細に説明し、同問題の国連安全保障理事会提起で積極的な支持と協力を求めた。
これに対し温首相は、「この問題を韓国政府と適正に処理していく」と語った。
温首相と李大統領は29日、韓国・済州島で鳩山由紀夫首相とともに日中韓首相会談に臨み、沈没事件への対応などを協議する。
2010/5/28 21:17
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