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若い女性のアルコール依存症患者が増加傾向、厚労省研究班が報告

2010年5月30日

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 30代を中心とする若い女性のアルコール依存症患者が増加傾向にある。厚生労働省研究班は、女性の新規患者が10年間で約5割増えたというデータを報告。調査に携わった国立病院機構久里浜アルコール症センター(横須賀市野比)の樋口進副院長は「社会進出する女性が増え、家庭にいるときよりも飲酒の機会が増えたことなどが背景にある」と指摘している。

 樋口副院長らがメンバーの厚生労働省研究班は、1997年と2007年、全国の専門病院11カ所でアルコール依存症新規患者数を調査した。報告によると、全体の患者数は2119人から2614人と約23%増。女性は318人から486人と約53%増え、各施設における新規受診患者に対する女性患者の割合は約4ポイント増えて、約19%を占めた。

 樋口副院長によると、女性の依存症患者は男性患者に比べ、うつ病や摂食障害など精神的に不安定な人の割合が高いのが特徴。ストレスや悩みを抱えている人が一時的に楽になろうとアルコールに頼る傾向があるほか、食事と同様にアルコール摂取量もコントロールできなくなった過食症の患者も多く見られるという。

 内閣府の調査によると、1年間で1回以上飲酒した「現在飲酒者」の成人女性の割合も54年は13%だったのが08年には61%に増加。「仕事をする女性が増えたのももちろん、男女平等の価値観が浸透している今の時代が投影されている。また、各酒類メーカーが甘いカクテルやダイエット商品など女性をターゲットにした酒類品を積極的に売り出しているのも要因」と樋口副院長は話す。

 女性は男性に比べ肝臓が小さいことなどからアルコールの血中濃度が高くなりやすく、肝臓障害が起きやすいと指摘されている。

 樋口副院長は「女性は特にアルコールと上手に付き合ってほしい」と警告。「酒が強いと意識していても、体の構造上などから女性の方がアルコールの影響を受けやすい。男性と張り合って飲むようなことはしないように」と話している。

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