かつて全日本女子プロレスで活躍した脇澤美穂(29)が、4月からお笑い芸人「ミホカヨ」として本格的に活動していくことが5日、分かった。現在、ワタナベコメディスクールに在籍する脇澤は、全女時代に納見佳容(32)(現女優)とのアイドルタッグの愛称だったミホカヨを芸名に、同期の吉川崇(26)と「吉川☆ミホカヨ」を結成。ライブにも出演している。3月のスクール卒業後、2人で売れっ子を目指していく。
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輝く場所をリングからお笑いの舞台へ変える。かつてプロレス界で将来を嘱望された脇澤は首などの故障のため、22歳だった01年に引退。居酒屋店員などアルバイトを転々とした後、故郷・千葉に戻った。
「本当に何もない田舎。退屈でテレビを見ていたら、青木さやかさんが出ていて『会いたい』って」。すぐに青木が所属する事務所のお笑いスクールへの入学を決意。女性タレントコースと間違えて受験するハプニングを乗り越え、昨年4月に入学。クラス約20人の最年長として、笑いのイロハを学んできた。
大切な名前のためにも成功したい。スクール合格直後に芸名はミホ カヨと決め、今でも仲のいい納見に使用を快諾してもらった。人生で最も光を浴びたときの宝物。「メチャクチャ好きな名前。さらにでっかくしたい」と鼻息を荒くした。
昨年、コントNo.1を決める「キングオブコント」が開催されたことがきっかけで、ピン芸人志望が変化した。出場のために吉川を誘い、7月に「吉川☆ミホカヨ」を結成。同大会、続くM-1とも1回戦で敗退したが、それをバネに現在も定期的にライブに出演。2日も都内での「TEPPEN.66 MAX」に登場し、コント「戦後の田舎兄妹」を披露。もんぺ姿のミホカヨが相方に“本物”のローキックを放つなど、笑いを誘った。
「人を笑わせて幸せにしたい。将来はテレビにいっぱい出たい」。今でも日常生活で首が痛むが、少しでも名前を売ろうと昨年12月、リングにも復帰。プロレスを愛しているが、あくまでお笑いがメーン。「バラエティー番組でいつ(体当たり芸を)やれって言われてもできるように」と、心地よいマットの感触を振り返りながら笑った。
全女時代に団体の倒産を経験。無給で試合を続けたこともあり、根性は負けない。これまでの最高のパートナーを聞くと「納見です」と即答。「吉川君」と自然に口にできたとき、明るい未来がやってくるはずだ。