SAPIX(サピックス)中学部でも都立トップ校人気が高まる
開成高校、筑波大学附属駒場高校の辞退組増える、早慶附属は併願校化
~受験生の志向は、中高一貫校への高校入学よりも全員一斉スタートの高校単独校に変化~【受験タイムズ】
首都圏に展開する高校受験塾、SAPIX中学部といえば、難関私立高校や難関国立高校への志望者が多いという印象があります。
しかし、そのSAPIX中学部も、ここ数年の都立トップ校人気の影響をかなり受け、SAPIX中学部生の都立トップ校志向が高まっているようです。
SAPIXホームページの日記にも、「都立志望者が増えている」と書かれています。
別の学習塾は、「都立トップ校合格発表後に、開成高校や筑波大学附属駒場高校の繰り上げが増えている」と言います。
SAPIXのトップ層の中には、開成高校や筑波大学附属駒場高校、慶應義塾女子高校を受けて合格しても、あくまで第二志望で、日比谷高校、都立西高校などの都立トップ校を受験して、合格したらそちらに進学する例が増えています。
背景には、受験生の高校単独校人気があるようです。筑波大学附属駒場高校の教諭が「高校入学者が馴染めない違和感」と言ったことが大きな話題となったように、中高一貫校への高校入学は学校になじめない人が少なくない実情もあります。また、行事や部活動ではどうしても中高一貫の生徒が主体となってしまいます。本来高校というのは、内進生というものが存在しない、全員一斉スタートするのが当たり前ですから、高校受験生にとっても、中高一貫校への高校入学を敬遠する動きが活発化しています。
また、開成高校の高校入学者の学力低下も起きているようで、開成高校に高校から入っても、東大合格は実は厳しいのです。開成高校は入試難易度の割りに大学合格実績は悪いのです。
都立トップ校はここ数年大きく実績を伸ばしています。国公立医学部合格率は開成高校を都立西が上回りました。2010年は日比谷が東大と京大に合計44名が合格。現役合格率では、東京学芸大学附属高校を上回っています。来年度は、東京学芸大学附属高校が都立トップ校の併願校化して、開成高校合格辞退組もさらに増えると予想されます。
都立トップ校の良さはなんといっても高校単独校であることです。高校生活は、本来はみんなが同じ条件で一斉にスタートするべきものです。しかし、残念ながら昨今の私立国立の中高一貫重視体制によって、高校から入学する生徒が伸びなくなってきています。
ですから、都立トップ校のほうが、充実した高校生活という点でも、あるいは大学受験へのサポートという点でも環境は良いのです。
これが、SAPIX生などで起きている、開成高校や筑波大学附属駒場高校辞退組、都立トップ校入学組の増加でしょう。
開成や筑駒を辞退して都立トップ校に入学した生徒の満足度は高いようです。
また、早稲田や慶應などの附属高校は、完全に都立トップ校の併願校化されました。
都立トップ校は最下位層でも早慶に合格しているため、都立トップ校のほうが良いといえるからです。