2010-03-13
早稲田アカデミーでも都立トップ校人気過熱、開成高校や慶應女子蹴り日比谷高校進学組も増加(早稲田アカデミー高校受験の評判)
早稲田アカデミーの2010年度の高校入試受験結果が発表されています。早稲田アカデミーといえば、かつては私立高校受験向きの塾というイメージでしたが、ここ数年で都立高校進学者が急増しています。
背景には、都立高校が大学受験指導に非常に力を入れるようになったことが挙げられます。都立進学校の大学合格実績は急伸張していて、2010年度の最新の大学合格実績でも大きく躍進しています。今年はついに、日比谷高校の東大・京大現役合格者総数が東京学芸大学附属高校のそれを追い抜きました。
一方で、私立高校は高校募集を減らし、中高一貫教育重視に切り替えつつあります。特に上位校はその流れが顕著で、最近では海城高校や豊島岡女子高校が募集人数を減らしています。高校募集減少の理由には、高校入学組の難関大合格実績が芳しくないことが大きいようです。学力優秀層が都立難関高校に流れた結果、東大に何十人合格するような私立高校であっても、高校入学組は1人も合格していないというのが当たり前となりつつあるのです。
また、近年高校入学組が多数派を占める内進生と馴染めない例も増えており、全員一斉スタートの都立トップ校の良さが改めて見直されています。カリキュラムを考えても、高校入学組が無理やり中高一貫型カリキュラムに合わさせられるよりも、附属中学を持たない高校単独校のほうが学力が伸びるようです。
こうした事情から、早稲田アカデミーといえども、もはや私立高校志望者の多い塾とはいえなくなりました。ますます魅力が高まる都立トップ校志望者は増え続け、魅力が薄れつつある私立高校の志望者は大きく減っています。早稲田アカデミーが都立トップ校の合格実績を大々的に発表するようになったのも、こういう背景があるのです。
■2010年度は開成高校や慶應女子高校合格辞退→日比谷高校進学組が急増
数年前から開成高校や筑波大学附属駒場高校などに合格しても、第一志望は日比谷や西などの都立トップ校という受験生が増えています。その数は年々増え続け、2010年度は早稲田アカデミーの生徒の相当数が開成高校を蹴って日比谷高校に進学したようです。
早稲田アカデミーといえば「開成必勝クラス」を設置していることで有名ですが、その開成必勝クラスからも、開成高校合格辞退の都立トップ校進学組が増えています。
女子最難関高校とされる慶應女子高校についても、早稲アカは「慶應女子必勝クラス」を設けていますが、やはり今年は慶應女子に合格しても、都立トップ校が第一志望という受験生が非常に多かったようです。
多摩地区に拠点を置く学習塾enaでも、今年は開成高校や筑波大学附属駒場高校合格辞退で都立トップ校進学者が増えたと話します。男子学力最上位層の開成離れ、筑駒離れが起きているのです。
開成高校といえども、高校入学組(開成では新高と呼びます)の学力低下が著しいと言われています。昔は新高のほうが東大合格率が高かったのに、最近ではそうとは言えなくなってきているそうです。今後も高校入学組の学力低下は続くかもしれません。
■日比谷の東大合格者数が急増 将来は50人超えも 学年最下位層でも早慶現役合格
2010年度の大学入試結果では、附属中学を持たない日比谷高校の東大合格者数が急上昇して近年最高値となりました。中高一貫生を含めない高校からの入学者のみの東大合格者数は、日比谷高校が都内ナンバー1です。「高校受験から東大なら日比谷」が定着してきました。さらに京都大学進学者数も都内トップです。
また、日比谷の凄さは、校内模試で最下位層の生徒も現役で早稲田大学や慶應義塾大学に合格している点が挙げられます。日比谷の落ちこぼれの少なさは驚異的です。ほぼ全員が早慶大の合格切符を手に入れてから国公立大に挑戦します。
日比谷高校に入学すれば、もはや早稲田大や慶應義塾大は合格確実と言っても過言ではない状況となりました。こうした状況は、早稲田アカデミーの早慶附属志望者の都立トップ校への志願切り替えを招いています。
早稲田アカデミーは、早稲田高等学院、早稲田本庄、早稲田実業、慶應義塾、慶應女子、慶應志木などの早慶附属高校への強さも売りにしているため、早慶志望の高校受験生に人気がありましたが、最近では早慶附属に合格しても第二志望で、日比谷高校など都立トップ校が第一志望という受験生が増えています。
早慶附属の偏差値は非常に高いですが、大学受験になれば、早稲田大学や慶應義塾大学は上位国公立大学の滑り止め的存在となります。また、理系などでは学費や設備面で国公立大と差があるため、地方であっても国公立大が優勢となります。前述の通り、日比谷高校では学年最下位層ですら早慶大に現役合格している状況のため、早慶附属を蹴っても、大学受験で早稲田大や慶應義塾大に届かない心配はほとんどありません。ですから、早慶附属志望者が次々と都立トップ校志望に鞍替えしているのです。
特に、慶應女子高校や早稲田実業学校高等部は、入試偏差値と進学先が釣り合っていないと言われており、都立トップ校進学者が増えています。前述の学習塾enaでは、早稲田実業合格者のほとんどは都立トップ校も受験して、合格したら都立トップ校に進学しているそうです。
日比谷高校は、3年後には東大合格者数が50人とも言われています。中高一貫校ではなく、最下位層でも早慶に届く日比谷の魅力は大きく、早稲田アカデミーでも、ますます都立トップ校志望者が増えるでしょう。
早稲田アカデミーからの都立トップ校志望者が増えていると言っても、その環境が最適とは限りません。例えば、早稲田アカデミーでよく聞くのが、「都立トップ校志望なのに、先生からとにかく早慶附属を受けろと言われます」といった相談です。早稲アカは塾名のとおり早慶附属の合格者数を売りにしているので、どうしても早慶附属に偏りがちな進路指導となります。
もちろん、都立トップ校の併願校として早慶附属は最もポピュラーですが、都立トップ校志望なのに、早稲田や慶應の附属を3校も4校も受ける必要があるかは疑問です。こうした早慶中心の進路指導に対しては、保護者や受験生が明確に自分たちの意思を伝える必要があるでしょう。
早稲田アカデミーは体育会系の塾のため、合わない生徒も多くいます。都立トップ校志望なら、市進学院、河合塾Wings、Z会進学教室、enaなどがおすすめです。
- 51 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4ADBR_jaJP272JP273&q=2010年東大合格率トップ校
- 46 http://ime.nu/d.hatena.ne.jp/morubasumomo/20100313/1268446953
- 22 http://d.hatena.ne.jp/keyword/日比谷高校
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