唯一の全国的な公益法人である「日本調査業協会」(東京都千代田区)によると、協会加盟は約370に過ぎない。「うちに入れば、守らなければならないことがある。それを嫌う部分もあるのでしょう」。協会の高橋新治倫理委員長は話す。
協会では、第三者から依頼を受け、交際しているカップルを意図的に別れさせる「別れさせ屋」の禁止など7カ条の自主規制を設けている。協会には、未加盟業者とのトラブル相談が、関東だけでも月に10件ほどあるという。
無届けも少なくない。今年3月には、愛知県公安委員会に届け出をせず、家出少女の捜索といった探偵業を営んでいた名古屋市南区の男性(38)が、探偵業法違反罪で罰金10万円の略式命令を受けた。
「探偵業法があっても怪しい業者はまだまだ多い。届け出制ではなく、資格制にして、すべての面で高いハードルを設けてレベルアップを図る必要がある」。高橋さんは指摘している。(高羽佑輔)