デニス・ホッパー氏死去=AP
デニス・ホッパー氏死去=ロイター
【ロサンゼルス=堀内隆】体制に抵抗しながら生きる米国の若者を描いた映画「イージー・ライダー」(1969年)で知られる米国の俳優、デニス・ホッパー氏が29日、前立腺がんの合併症のためロサンゼルス近郊の自宅で死去した。74歳。米メディアに対し友人が明らかにした。
米カンザス州に生まれ、高校時代から演劇活動で活躍。55年に初出演したテレビドラマで才能を見いだされ、ワーナー・ブラザーズと契約を結んだ。「理由なき反抗」で映画デビュー、主演のジェームズ・ディーンに強い影響を受けた。
監督が指示するせりふや演技を拒否するなど製作側と衝突する問題児ぶりを発揮、ワーナーに契約を切られてハリウッドからニューヨークに移り住んだ。
脚本を書き、監督・主演した「イージー・ライダー」は、コカインで大金をつかんだ2人の若者がオートバイで自由な旅を続ける中で米国の様々な現実とぶつかる物語。体制批判に焦点を当てた「アメリカン・ニューシネマ」の代表作になった。
自身も80年代初めには薬物とアルコール中毒に沈んだが、リハビリを経て復帰。「勝利への旅立ち」(86年)でアカデミー助演男優賞候補に挙がった。カメラマン、画家、美術コレクターとしても知られる。