■民主、絶対安定多数を大幅に上回る

(諸派は新党大地)
8月30日投票、即日開票された第45回衆院選で、民主党は定数480議席のうち308を獲得して圧勝した。国会運営で完全に主導権を握る絶対安定多数の269議席も超えた。社民、国民新両党などと連立すれば、衆院3分の2に迫る勢力となる。
自民党は1955年の結党以来、初めて第1党の座を明け渡した。10年間にわたって自民党と連立を組んだ公明党も後退し、太田昭宏代表、北側一雄幹事長が落選。小選挙区は全敗した。共産党と社民党は公示前と同じ議席数を確保した。国民新党は公示前の4議席に届かなかった。
■都市部・地方で自民を圧倒
民主党の過去最多議席は2003年衆院選の177議席で、小選挙区では105議席だった。それが今回は、小沢一郎代表代行が掲げた「小選挙区で150議席以上」の目標は軽く超えた。
圧勝の一因は、勝敗のカギを握る無党派層が多い大都市圏での躍進だ。前回選挙で埼玉、千葉、東京、神奈川の4都県計71選挙区のうち、民主党が勝ったのはわずか5選挙区にとどまった。
今回はこの構図が一変した。前回、菅直人代表代行しか議席を獲得できなかった東京(25選挙区)では、21選挙区で勝利。愛知(15選挙区)で全勝したほか、大阪(19選挙区)でも17議席を得た。
「自民王国」とされる北関東、九州なども制した。1996年に小選挙区比例代表並立制が導入されて以来、過去4回の衆院選で自民党候補が4連勝した選挙区は94と全体の約3分の1を占めていたが、今回は半分以下の37に激減した。
民主党の勢いは、前回、自民党がすべての選挙区を独占した17県にも及んだ。山形で3選挙区のうち2選挙区、群馬で5選挙区のうち3選挙区を獲得した。岩手や福島、山梨など民主党がすべての選挙区を独占する県が新たに8つ、誕生した。