阪神・鶴、北の大地で飛翔プロ初勝利…6回2失点
プロ初勝利の鶴(左)は藤川からウイニングボールをもらい笑顔 |
◆ 阪神高卒入団では02年藤川以来 ◆
<阪神4−2日本ハム>阪神の5年目・鶴直人投手(23)が今季3度目の先発で6回を2失点の好投。中学時代に投げ勝ったことがある日本ハム先発・ダルビッシュを相手に堂々とした投球を披露し、うれしいプロ初勝利を挙げた。阪神の高卒入団投手のプロ初勝利は02年の藤川以来。期待の本格派右腕が、北の大地でついに羽ばたいた。
◆ 憧れの人に成長を披露 ◆
格別のウイニングボールだった。9回、2点差で2死満塁の大ピンチに立ち向かう藤川を、鶴はベンチで口を真一文字に結んで見守った。ピリピリする緊張感の中、最強守護神はこん身の直球で稲葉を二ゴロに仕留めてゲームセット。念願のプロ初勝利を手に入れた。
憧れの人に5年分の成長を披露した。入団1年目。高校時代の故障が癒えず、遠投中心のリハビリの毎日を送っていた頃、藤川に選手寮で声をかけられた。
「おまえ、オレに似てるわ。頑張れよ」
藤川自身も高卒入団で故障に苦しみ、雌伏の期間が長かった。境遇がピタリと重なる右腕を気に掛けていたのだ。
「当時から球児さんはすごい人でしたし、あの言葉は衝撃でした。鳥肌が立ちました」
今年2月、春季キャンプ中の1、2軍合同の紅白戦でも2回2失点と精彩を欠く投球の後に藤川から「力み過ぎなんや。おまえはオレの2世なんやから」とゲキを飛ばされた。“球児の言葉”で自分を見つめ直すことができた。
粘りが生んだプロ初星だ。2回、1点を失いなお2死満塁から森本には押し出し四球。ズルズルいきかけたが、迎えた3番・稲葉を118キロのフォークで三ゴロ。2失点で食い止めると、3回以降は低めへの制球がさえ6回6安打2失点でマウンドを後に託した。
試合結果
[ 2010年5月30日付 ]
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