NPT会議が最終文書を採択
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NPT会議が最終文書を採択

5月29日 5時58分

ニューヨークの国連本部で開かれていたNPT=核拡散防止条約の再検討会議は、最終日の28日、「核兵器のない世界」に向けた取り組みを盛り込んだ最終文書を全会一致で採択しました。

再検討会議の全体会議は、日本時間の29日午前4時半前から開かれ、会議の成果となる「最終文書」を全会一致で採択しました。「核兵器のない世界の平和と安全」をうたった最終文書は、核保有国が、核兵器の完全な廃絶を目指して後戻りしない形で取り組むことを確認するとしています。そして、その方策を探る協議を速やかに始め、結果を4年後の2014年に再検討会議の準備委員会に報告することを求めています。核軍縮に向けた国際社会の意志を示したもので、アメリカのタウシャー国務次官は「この文書は、オバマ大統領のビジョンをさらに前に進めるものだ」と評価しました。文書には、また、NPTに加盟せず核兵器を保有しているとされるイスラエルを念頭に「中東地域の非核化に関する決議」の実施に関して、「国際会議を2012年に開く」ことが盛り込まれました。イスラエルの問題への取り組みに進展が見られないことに不満を募らせてきたアラブ諸国などが強く求めた内容で、エジプトのアブデルアジズ国連大使は「前向きな一歩だ」と評価しました。このほか、文書では、7年前、NPTからの脱退を宣言した北朝鮮について、2回の核実験を「最も強く非難する」としましたが、核開発計画をめぐって欧米と対立するイランについては名指しを避けています。各国の思わくが交錯し、当初の案から大きく変わった部分もありますが、何も合意できなかった5年前の会議とは大きく異なり、加盟国の間では、核軍縮や核の拡散防止に向けて一定の成果を収めたという受け止めが広がっています。