阪神の鶴直人投手(23)が28日、約10年の時を隔てての“再戦”に闘志を燃やした。29日の日本ハム戦(札幌ドーム)で投げ合うのは、あのダルビッシュ。下馬評は圧倒的に不利ながらも、鶴はかつての記憶を呼び覚まし、大金星を見据えた。
甲子園で調整を終えた5年目右腕は、「本当にいいピッチャー。投げ合うのが楽しみ」と目を輝かせた。プロ未勝利の鶴に対し、日本を代表する存在のダルビッシュ。通常なら「本当にいいピッチャー」と言うのもおこがましいが、この男には口にする権利がある。
中学2年のときのこと。忠岡ボーイズに所属していた鶴は、1学年上で羽曳野ボーイズに所属していたダルビッシュと投げ合っている。
「尊敬していた。ああいう投手になりたい」と同じ大阪で名をはせるダルビッシュにあこがれていたが、試合ではダルビッシュを先にマウンドから降ろした。プロの実績は雲泥の差だが、鶴にはその差を埋めるだけの輝かしい記憶がある。 (島田明)
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