莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見
【第3回】 2010年5月27日
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莫邦富 [作家・ジャーナリスト]

中国・内陸部で大人気の日本商品!
鄭州の百貨店で見た“手付かず”のビジネスチャンス

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 この5月、筆者は日本から15社、20名近くの経営者や経営層の幹部を連れ、再び丹尼斯の店内に入った。そして1年ぶりに輸入品スーパーを再訪し、店内を見回して目が点になった。1年前、日本製または日本ブランドの商品といえば、せいぜいリンスとシャンプーくらいだったが、今回は違う。棚には日本の食品が氾濫している。

写真(1):鄭州丹尼斯1号店

 百聞は一見に如かず。言葉より写真で説明した方が分かりやすいと思うので、以下は写真を比較しながら進めたい。

 写真(1)は昨年に撮影したものだ。リンスやシャンプーが写っている。他の写真はこの5月の中旬に丹尼斯を再訪した時、撮影したものである。日本食品の増加に目を見張った。富士リンゴもあれば、カレーライスもある。エビチャーハン、みそ汁、昆布つゆ、丸大豆減塩しょうゆなどなど、目が回りそうなほどある。

 値段の高さにも驚いた。赤ちゃんが飲む麦茶やジュースが何と50元で売られている。今の為替レートで650円以上になる。同行した日本人全員からため息が出た。「たかーい」との連呼が聞こえた。

 さらに驚いたことに、日本人が開いたViesante(中国語名は「維珊」)という洋菓子屋ができていた。メロンプリンは一個21元と日本の値段と変わらない。

 こうした光景を目の当たりにした同行の日本人経営者たちの表情は、今度は俺たちの番だと言わんばかりのものになり、中国内陸部に進出しようという意欲がはっきりと出てきた。来年またこの丹尼斯を訪問したら、私を驚かせる商品がもっと増えていることだろう。いまから楽しみだ。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり・・・中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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