府中市は27日、口蹄(こうてい)疫対策の消毒用消石灰を市内の農家などに独自配布を始めた。三原市や広島県世羅町もすでに配布を終えている。一方、広島県神石高原町は未定、福山市は検討中。尾道市は予定していないなど、備後地方4市2町の対策にはばらつきが出ている。
府中市は畜産農家22戸と堆肥(たいひ)センター3カ所に1・8トンを配布した。飼育頭数に応じて20キロ入り2〜10袋を準備し、市職員が車で配送した。乳牛34頭を飼育する同市上下町有福の伊達公一さん(38)方には2袋が配られ、伊達さんは「牛の流通が滞るのが心配。気長にやるしかない」と牛舎の入り口を中心に散布した。
三原市は備蓄分の約2トンをすでに13、14日に独自配布。世羅町も18日以降に約2トンを配り終えている。
一方、広島牛の産地としても知られる神石高原町は消石灰の独自配布などは未定。6月2日に和牛農家や酪農家、JAなどの関係者が集まり、緊急の対策会議を開いて感染予防対策を話し合う。
4市2町で最多の7483頭の牛がいる福山市は当面、啓発活動を重視する方針。消石灰の独自配布は「検討中」という。尾道市は「独自配布など予定はない」とし、県と連携しながら今後の体制づくりに取り組む方針だ。
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