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鳩山首相、「日韓版FTA」締結に向け積極的働きかけ (1/2ページ)
【済州島(韓国南部)=水沼啓子】訪韓中の鳩山由紀夫首相は、29日開催された日韓首脳会談で自らが積極的に進めている日韓経済連携協定(EPA)の締結問題について、交渉再開に慎重な韓国側に働きかけ、今後、実務レベルからハイレベルでの事前協議が行われる見通しとなった。
EPAは、関税撤廃を柱とする自由貿易協定(FTA)をさらに拡大させたもので日韓版FTAともいえる。2003年の日韓首脳会談での合意に基づき交渉が開始。当初はFTAと呼ばれていたが、日本側がその後、対象を投資規制緩和などにまで広げたEPAと呼んでいる。交渉は04年11月を最後に中断したままだ。
会談で、李明博大統領は交渉再開に向け、これまでの実務レベルから一段階高め、ハイレベルで事前協議を進めることを提案。その上で、李大統領は「日韓FTA(EPA)が中・長期的に日韓両国の発展に寄与すると考える」と話した。鳩山首相も、「日韓関係の将来を強固にするためにもEPA協定締結が重要だ」との考えを示した。
一方、李大統領は、韓国のメーカーが日本から最近相次いで撤退した事例を挙げ、日本の非関税障壁などの問題を指摘した。これに対して、鳩山首相は「非関税障壁の解消のために積極的に努力する。いわゆる日本の排他的流通構造の慣行があるならば、それがなくなることが望ましい」との方針を示した。
政府関係者の話によると、鳩山首相はEPA締結問題に対する韓国側の感触を探るため、仙石由人国家戦略担当相を3カ国首脳会談前日の28日、急きょ韓国に派遣するという熱の入れよう。この日も、鳩山首相は、日韓首脳会談後、記者団に対して「EPAの話は(聞かなくて)いいのかな」と自ら進んで説明したという。