2010年5月29日(土)

「首相の思い理解を」 県内民主、普天間問題で心境は複雑

 

 普天間基地の移設をめぐる問題で、県内選出の民主党国会議員や地方議員幹部は、当初の首相発言と異なる政府方針に理解を示す一方で、支持率低下を背景に複雑な心境を口にした。

 山根隆治県連代表代行(参院埼玉選挙区)は「(発言が変わった)鳩山首相に対する国民の批判は分かる。ただ『何でもアメリカ』という流れの中で自立した国家の責任として、あらためて米軍基地問題を考えていきたいという首相の意欲や思いを理解してほしい」と強調。社民党党首の福島瑞穂消費者行政担当相の罷免については「他党のことでもあり、コメントは控えたい」と述べるにとどまった。

 夏の参院選埼玉選挙区への影響について、高山智司県連幹事長(埼玉15区)は「この問題が有権者の関心事になると思っていない。われわれは昨夏にうたった政権交代の意義をあらためて強調していきたい」と力を込めた。

 一方、民主系県議団の矢部節団長は「どのような形でこの政府方針になったのか、詳しい経緯が分からないのでコメントは難しい」と言葉少な。さいたま市議会・民主系会派の神崎功団長は「首相発言について厳しい意見もあるが、今までふたをしていた自衛・国防に関する問題が国民的な議論になったことはいいことだと思う」と話した。

 

 社民「政府自ら連立否定」

 社民党県連合の日森文尋代表は、党首の福島瑞穂消費者担当相の罷免について「政府自ら連立を否定したものだ」と厳しく批判。「党首が罷免されて与党として残るのは理屈が通らない」と述べ、連立政権を離脱すべきとする考えを示した。

 移設先に辺野古周辺が明記された点にも触れ「沖縄の民意、三党合意、国民への約束のいずれにも反するもので、断じて容認できない。今後も基地撤去を目指し全力を掲げる」と憤りをあらわにした。

 同県連合の佐藤征治郎副代表(県議)は「沖縄の平和問題は社民党の存在意義をかけた一丁目一番地。(福島氏は)名誉ある罷免だったと思う」と語気を強めた。

 移設をめぐる鳩山首相の一連の対応に「腹案があると言いながら解決への努力もせず、行き着く先が辺野古ではひどすぎる」と失望感を隠さない。夏の参院選を見据え「政権離脱のマイナスよりは、沖縄の問題で妥協するマイナスの方が、うんと大きい」と、党としての主張を貫くべきだと強調した。

 

他のニュースも読みたい方は...
Mobile埼玉

WEB埼玉ホームへ

 全国各地の関連ニュース

 
Copyright (C) The Saitama Shimbun. All rights reserved.