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熊本県も種牛分散へ 口蹄疫対策で来週中に6頭 2010年05月28日

 県農林水産部は27日、合志市の県農業研究センター畜産研究所で集中管理する種牛66頭のうち、6頭を来週中に阿蘇、天草の県内2カ所の飼育施設に移動させると発表した。宮崎の口蹄疫感染で、宮崎県家畜改良事業団が一元管理するブランド種牛が一斉処分対象になった事態を勘案し、リスク分散を図る。

 九州では鹿児島県が離島に移動させ、大分県も分散管理の準備を進めている。

 熊本県の畜産研究所の種牛は褐毛[あかげ]和種(あか牛)44頭、黒毛和種(黒牛)22頭。このうち、あか牛4頭を阿蘇市の県農業研究センター草地畜産研究所に、黒牛2頭を天草地域の民間施設に移す。

 両施設とも合志市から十分な距離があり、県内で感染が発生しても3カ所がすべて巻き込まれることはないと判断した。

 畜産研究所によると、あか牛には熊本系と高知系があり、熊本系は研究所から県内や北海道、長崎、東北などに凍結精液を供給している。県畜産農協連合会などが分散管理を求めていた。

 この日開かれた県議会農林水産常任委員会で廣田大作県農林水産部長は「畜産研究所の防疫レベルは高い」としながらも「(口蹄疫が)周辺で発生すれば移動や搬出が制限され、宮崎と同じ状況になる恐れがある」と分散管理にする理由を説明した。

 畜産研究所にある凍結精液も6万本(1本0・5ミリリットル)のうち1万本を28日、八代地域の県施設に移す。

 一方、農林水産常任委は、政府に口蹄疫対策の充実強化を求める意見書を可決。県議会開会日の6月1日に本会議に提案する。全会一致で可決される見通し。消毒の徹底や埋設処分地の確保、家畜市場休止で影響を受けた全農家への経営支援措置などを求めている。(蔵原博康、岡恭子)





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