福岡県大牟田市本町3丁目のビジネス旅館「南風荘」の客室で女性が死亡していた事件で、県警は29日、司法解剖により死因は頸部(けいぶ)圧迫による窒息死と断定、殺人事件として大牟田署に捜査本部を設置した。遺体が見つかった客室に宿泊していた男性が、遺体発見直前に旅館を出て行く姿が目撃されており、県警は男性が何らかの事情を知っているとみて行方を捜している。
県警の発表では、女性はこの旅館に住む旅館経営者江崎京子さん(79)。死亡推定時刻は28日午前10時前後で、首にひも状のもので絞められたあとがあった。部屋が荒らされた形跡はなかったという。
県警によると、同日午前10時45分ごろ、江崎さんの孫娘が、自宅兼旅館の2階客室のベッドであおむけになり布団をかけられている遺体を発見。客室には、26日から30-40代の男性が宿泊していたが、遺体発見直前にバッグを手にJR大牟田駅方面に向かう男性の姿を孫娘が目撃したという。
男性は身長170センチぐらいのやせ形で、白っぽいジャンパーに、紺か黒のズボン、黒ぶちメガネをかけていたという。
江崎さんは、同旅館で夫と娘、孫娘2人の計5人で暮らしていた。旅館は江崎さんが1人で切り盛りしており、宿泊客の名簿は付けていなかった。この日の宿泊客は男性だけだったという。
=2010/05/29付 西日本新聞夕刊=