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職場の健診、精神疾患も対象 政府「自殺・うつ対策」

2010年5月29日1時20分

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 年間3万人を超える自殺を防ぐため、厚生労働省は28日「自殺・うつ病等対策」をまとめた。職場での健康診断で精神疾患も対象とし、企業に取り組みの強化を求める。精神保健医療の充実も含め、法制化を目指す。

 国が職場の対策に踏み込むのは異例だ。具体的には、精神疾患がある労働者を把握するため、企業が実施する定期健康診断に項目を加える。一方、企業側が従業員の精神疾患を把握することによるプライバシー侵害や、人事への影響を懸念する声があり、労働者が不利益を受けない方策も検討課題だ。

 31日には専門家や労使代表でつくる「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」を立ち上げ、法制化を含めた方針づくりを進める。

 精神科医や患者、家族ら90人が集まる民間組織「こころの健康政策構想会議」も28日、国を挙げてこころの問題に取り組むための政策提言書と「精神疾患対策基本法案」を長妻昭厚労相に提出した。同省はこれを受け、31日に「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」を立ち上げ、政策の実現や法案の早期成立を目指す。

 構想会議は「多職種チームによる医療の提供とアウトリーチ(訪問活動)」を提言書の目玉とした。自治体が人口10万人あたりに一つ、医師や精神保健福祉士、臨床心理士らによるチームを設置。いつでも電話相談に応じて相談者のもとに出向き、必要な医療や福祉サービスに結びつける。こうした活動で「3分診療から30分医療へ」「患者を病院・施設から地域へ」の実現を目指す。(中村靖三郎、横田千里、岡崎明子)

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