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【ドラニュース】


落合監督、地獄ノックついに解禁

2010年5月29日 紙面から

森野(手前)にノックする落合監督。後ろは荒木=ヤフードームで(榎戸直紀撮影)

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 中日・落合博満監督(56)が28日、全体練習が行われたヤフードームで今年初めて内野陣にノックした。今年はキャンプを前にして“オレ流ノック”の封印を宣言していたが、相次ぐ守備の乱れに“解禁”したようす。また、30日のソフトバンク戦(ヤフードーム)での先発が予想される中田賢一投手(28)は今季初勝利と故郷での初勝利に意欲を燃やした。

 『ついに』、という表現が適切なのだろう。金沢から空路で福岡入りした中日ナイン。森野、荒木に待っていたのは今年初の“オレ流ノック”だった。キャンプ初日から数えて117日目、落合監督がついに動いた。

 コーチングスタッフに任せることを理由に「打ちません」とノック封印を宣言したのがキャンプ前の1月30日。その封印を解いたのは、この日の午後4時15分だ。まずは三塁で守っていた森野がターゲット。独特の厳しい打球、激しい“言葉攻め”を浴びせ続けた。

 「あれじゃピッチャーが泣くぞ。捕れなくてもいいから反応しろよ、下手くそ!」、「練習不足や、おまえ!」、「(ゴロに)手を引っ込めるヤツがどこにいるんだ。タコ!」。見ている方も背筋が凍る森野へのノックは約15分で終了。お次は荒木だ。「つぎ、おまえだ」と声をかけると、ゴロの捕球後に「早く止まれ」など、こちらも厳しい言葉で約15分、計30分間ノックした。

 我慢の限界だったのかもしれない。練習後、口を閉ざした落合監督だが、ふがいなくて腹立たしい気持ちは結果が物語っている。大敗した前日の日本ハム戦では今季ワーストの4失策。失策数44は12球団ワーストだ。守りの野球はどこへやら。開幕から50試合を終えて、コーチングスタッフだけには任せておけないとばかりに動いたと思われる。

 練習後、険しい表情になった森野は「足がパンパンです。ただでさえ、飛行機の移動で足がパンパンなのに」と話せば荒木は「久しぶりですね。きたかって感じです」と気持ちを引き締めた。もちろん、森野と荒木だけの問題ではない。“オレ流ノック”が始まった瞬間、ヤフードームは独特の雰囲気に包まれていた。選手スタッフそれぞれが落合監督の思いを受け止めたはず。守りの野球の復活へ、個々がグラウンドで答えを出したい。 (兼田康次)

 

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