静岡県熱海市などのホテルを実質的に経営する会社が、元本が保証されるとうたって募集した会員から不正に資金を集めたとして捜索を受けた事件で、会社が経営陣などに40億円近い貸し付けを行う一方、税金を滞納していたことがわかり、警視庁は多額の貸し付けが行われるなかで経営が悪化し、1年前には会員に資金を返す能力がなくなっていた可能性があるとみて調べています。
この事件は静岡県熱海市の「岡本ホテル」などを実質的に経営する東京・中央区の「オー・エム・シー」が、元本が保証されるとうたってリゾートクラブの会員を募り、不正に資金を集めた疑いが持たれているものです。警視庁はホテルなどを捜索して資金の流れを調べていますが、内部資料によりますと、会社側は去年9月の時点で会員からおよそ190億円の資金を集めながら、40億円近くを経営にかかわっていた元暴力団員や会社の幹部らに貸し付けていたことがわかりました。一方で岡本ホテルは税金を滞納し、去年7月と今月の2度にわたって土地と建物が熱海市に差し押さえられ、一部の従業員の給料も支払われていないということです。警視庁は多額の貸し付けが行われるなかで経営が悪化し、遅くとも1年前には会員に資金を返す能力がなくなっていた可能性があるとみて調べています。