一人黙々とダッシュを繰り返すダルビッシュ=札幌市内(撮影・村中拓久)
29日の阪神戦(札幌ドーム)で先発が確実な日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が28日、阪神・金本との“師弟対決”を心待ちにした。一人きりの室内で黙々とランニング、ストレッチを行うその姿からは、尊敬する選手との登板を楽しみにしている様子がひしひしとうかがえた。
前回登板した22日の横浜戦前日は一切報道陣の前に現れなかったが、今回は逃げも隠れもしなかった。正午過ぎに札幌市内の室内練習場に登場。約30分間汗を流すと、今度はトレーナーのマッサージを約1時間受けた。入念な最終調整だった。
金本は今年1月、広島市内のジムでトレーニングを見学させてもらった“師匠”。2人の通算対戦成績は16打数2安打、1本塁打3打点と抑え込んでいる。だが、一流として認める数少ない選手の一人。“師匠”は右肩の故障のためDH制のあるパ・リーグ主催試合のみでの先発出場が続いているが、今回は完ぺきなタイミング。「対戦できたらいいですね」と少年のような目で話した。
相手予想先発の鶴も気になる存在だ。自身が1学年上だが大阪・全羽曳野ボーイズの中学時代に対戦。「僕は途中でケガで降板したんですよね。いい投手なんで、投げ合えたら楽しみ」とほほ笑んだ。鶴が9日の広島戦で好投した際にも、自身のツイッターで「中学校の時めっちゃ凄いピッチャーでして、完封されたのを思い出した」と即座に反応したように“意識”する存在でもある。
交流戦に入り、2試合で計15回を自責1と好投を続けながらもいまだ未勝利。チームも自身の登板試合のみ負けている。だが「打線はいい」と警戒する阪神は過去5戦4勝、防御率1・58と好相性。虎党には迷惑だが、今回こそ今季交流戦初星の大きなチャンスだ。
(2010年5月28日)