“実弾”ネルソン６月１日解禁、ウエスタンで初登板へ…中日

ナインと一緒に笑顔で練習に励むネルソン

　あの話、どうなった！？　球界をにぎわせた数々の話題の中から、スポーツ報知の紙面を飾った主役たちのその後、近況を、担当記者が取材した。今回は２月に実弾所持で現行犯逮捕され、３か月の出場停止処分を受けた中日のマキシモ・ネルソン投手（２８）の周辺を追跡した。

　実戦復帰に向け、ネルソンは外見もきっちりと整え直した。「もうすぐ、投げられる。その時期が見えてきたので、ストレスもなくなったんだ」。実戦で投げることができなかった３か月間。自宅とナゴヤ球場を自転車で往復する日々だった。ある日、２軍暮らしの同僚・バルデスと髪の毛をオレンジ色に染めた。奇抜なヘアは周囲を驚かせたが、こんなことぐらいでしか、ストレスを発散できなかったのだろう。球団からの出場停止処分が解ける６月１日が近づき、再び、髪の毛も黒色に戻した。

　「世間を騒がせ、チームにも迷惑をかけてしまった。いい成績を残すことで取り戻したい」。沖縄・北谷キャンプを打ち上げた翌日の２月２６日、名古屋に戻ろうとした那覇空港でのことだった。銃弾１発を所持していたとして現行犯逮捕された。母国・ドミニカ共和国で護身用に合法的に所持していたものだった。不起訴処分になったが、来日３年目で期待されていた先発ローテーション入りも自らの不注意で逃してしまった。

　５月３１日まで、３か月間の出場停止処分の期間、ひたすら練習したことは無駄ではなかった。「苦しい期間だったが、謙虚に練習してきたつもり。その結果、コントロールがよくなったと思う」と強調した。稲葉投手コーチは「シュート回転するボールが少なくなった。１軍で通用すると思う」と認めた。６月１日のウエスタン・リーグのソフトバンク戦（ナゴヤ）でリリーフとして今季初登板する予定だ。ネルソンの２０１０年がようやく始まる。

　◆マキシモ・ネルソン（Ｍａｘｉｍｏ　Ｎｅｌｓｏｎ）１９８２年４月２１日、ドミニカ共和国生まれ。２８歳。ヤンキースのドミニカアカデミーからルーキーリーグでプレー。２００７年はイスラエルリーグの「モディン・ミラクル」で１３試合に登板し、５勝３敗、防御率３・５５。２００８年に中日入団。昨年、初勝利を挙げた。２年間で３２試合に登板し、１勝３敗１セーブ、防御率３・５１。２０４センチ、８６キロ。右投右打。家族は夫人と１男１女。