米海兵隊岩国基地(岩国市)の滑走路移設事業で1キロ沖に移った新滑走路の運用が29日、始まった。日米両政府や地元関係者が出席して運用開始式があり、日米の1番機が着陸した。事故の回避や騒音軽減が期待される一方、米海軍厚木基地(神奈川県)から2014年までの空母艦載機移転など在日米軍再編が進むことになる。
新滑走路は長さ2440メートル、幅60メートルで、旧滑走路と同規模。そばで式典があり、榛葉(しんば)賀津也防衛副大臣、来賓のジョン・ルース駐日米大使、福田良彦市長ら約300人が出席。榛葉副大臣のあいさつに続き、ルース大使は日米安保条約改定50周年の節目の新滑走路運用を「日米のパートナーシップの明るい未来の証だ」と強調した。福田市長は「積年の悲願が実を結んだ」としつつ、艦載機移転には「複雑な気持ちには政府もしっかりと耳を傾けていただきたい」とした。
新滑走路は12年度再開予定の民間空港でも使う。一方、06年5月の米軍再編最終報告に空母艦載機移転が盛り込まれ、市民には「沖合移設が基地機能強化を招いた」との反発も根強い。
【写真説明】1番機として新滑走路に着陸するFA18ホーネット戦闘攻撃機(29日午後1時45分、撮影・山本誉)
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