哨戒艦沈没:北朝鮮、「米軍誤爆説」主張するも…(下)

 海外公館を通じた釈明が壁にぶつかると、北朝鮮は同日、最高権力機関の国防委員会が平壌で、平壌駐在の海外メディアや外交官を集めて記者会見を行い、「われわれは130トンのヨノ型潜水艇を保有していない」と主張した。この内容は朝鮮中央テレビと平壌放送で報じられた。金正日(キム・ジョンイル)総書記が委員長を務める国防委が記者会見を行ったのは史上初めてのことだ、と外信らは分析した。朴林銖(パク・リムス)国防委政策局長は、「われわれはヨノ型潜水艇や、サンオ型潜水艇を保有しておらず、130トン級潜水艇もない」と話した。朴局長は「130トンの潜水艇が1.7トンの重魚雷を搭載して、公海を迂回しその船を沈没させ、再び戻るということが軍事的常識から理解できるだろうか。道理に合わない話だ」と主張した。現在、北朝鮮の海軍は1800トンのロメオ型潜水艦約20隻、325トンのサンオ型潜水艦約40隻、130トンのヨノ型潜水艇約10隻を保有している。

 民間・軍合同調査団は「天安」沈没の調査結果を発表した際、「発見された魚雷の種類と作戦資料を分析した結果、ヨノ型(130トン級)潜水艦が使用されたとみられる。水中から西海(黄海)外郭を迂回し、攻撃に及んだ後、速やかに現場を離脱し、侵入したルートに沿って戻ったとみられる」と説明した。

 新華社通信によると、朴局長は「調査団に参加した米国はわれわれといまだに戦争状態にある国家であり、英国とオーストラリアは韓国戦争(朝鮮戦争)に参戦した国家のため、信用できない」と話したという。だが一方で、中立国のスウェーデンが調査団に参加した事実には触れなかった。国防委はまた、「民間調査委員らは調査作業の一部だけに参加し、異なる意見を述べた調査委員は調査団から追い出された」と主張した。野党推薦で調査団に参加し、「座礁説」を主張したシン・サンチョル氏を念頭に置いたものとみられる。

 国防委はまた、「南側が発表した事故発生時刻、場所、事故の目撃情報などには数多くの矛盾がある。南側が『天安』沈没の責任を転嫁し、在韓米軍を引き続き駐屯させ、敵対的な対北政策を維持する目的で調査結果を捏造した」と主張した。政府当局者は「北朝鮮が海外公館を動員し、外信を集めて異例の記者会見を行ったこと自体、北朝鮮が相当の焦りを感じていることを示すものだ」と語った。

権景福(クォン・キョンボク)記者

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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