県内2案を一本化 普天間移設で平野氏

一時シュワブ陸上へ 最終的に勝連沖集約

米軍キャンプ・シュワブと沿岸部=11日、名護市

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米軍ホワイトビーチ=11日、うるま市

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2010年3月26日 09時57分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 【東京】平野博文官房長官は25日、社民党の阿部知子政審会長、国民新党の下地幹郎国対委員長と首相官邸で会談し、米軍普天間飛行場移設で、うるま市勝連沖埋め立て案と名護市のキャンプ・シュワブ陸上案を組み合わせた形で一本化する方向で最終調整を進める意向を伝達した。勝連沖の施設完成に10年以上かかるため、その間はシュワブ陸上部に約500メートルのヘリポートを造り、徳之島(鹿児島県)などに普天間のヘリ部隊訓練を暫定的に分散移転させることを検討。最終的に勝連沖の施設に集約することを念頭に置いているという。

 与党関係者によると、勝連沖の施設の完成後は米軍が使用するが、海兵隊は将来的に沖縄から撤退するとし、最終的には自衛隊の専用施設と位置づけることで県民の理解を得たいとの政府側の考えがあるという。

 岡田克也外相は26日にルース駐日米大使と会談し、政府の検討状況を伝達。政府は31日に政府案を決定する方針だ。平野氏が委員長を務める沖縄基地問題検討委員会を4月初めに開き、政府案を社民、国民新両党に伝える予定。

 その後に首相官邸、防衛省、外務省による作業班を立ち上げ、米国との実務者レベル協議を4月上旬にも開始する。米国と合意できれば基本政策閣僚委員会で移設案を正式に確認する。

 政府関係者によると、平野氏は25日の阿部、下地氏との会談で、勝連沖案を自身が主導し、シュワブ陸上案は防衛省が検討を進めていることを明言。「普天間は一気にどこかへ移すことはできない。(代替施設完成までの間)機能を県外に分散する。徳之島も考えている」と述べたという。

 勝連沖案は航空自衛隊那覇基地を併設し、3600メートル級の滑走路2本を造る案。那覇港湾施設(軍港)を併設することも検討。

 一方、米側が2012年にも配備を予定する垂直離着陸機MV22オスプレイは小規模なヘリポートでは離着陸が困難とされる。勝連沖案では代替施設の完成には10年以上が見込まれるため、シュワブ陸上案と一本化した場合も暫定措置となるかどうかは疑問も残る。

 政府内では海兵隊訓練の暫定的な移転先として、鹿児島県の馬毛島、航空自衛隊の新田原基地(宮崎県)、築城基地(福岡県)など本土の自衛隊基地も浮上している。

 勝連沖案とシュワブ陸上案を別々の案として米側に提示する可能性もある。

非常に困難と防衛相に伝達
非公式会談で知事

 仲井真弘多知事は25日、北沢俊美防衛相と那覇市内のホテルで非公式に会談し、米軍普天間飛行場の移設先について、政府が検討している名護市のキャンプ・シュワブ陸上と、うるま市のホワイトビーチ沖を埋め立てる勝連沖への移設は非常に困難だと伝えた。仲井真知事が記者団に述べた。両氏は26日午前、県庁で公式会談を予定している。

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