鳩山由紀夫首相は28日夜、米軍普天間飛行場移設問題への対処方針を閣議決定した後、首相官邸で記者会見した。首相は「当初思い描いていた沖縄県民の負担や危険性の抜本的軽減に比較すれば、この決定は最初の一歩、小さな半歩にすぎないかもしれない」との認識を示した。その上で「この一歩を一つの出発点に粘り強く基地問題の解決に取り組み続けることが自分の使命だ。今後も命懸けで取り組む」と述べ、首相続投を明言した。
一方で、首相は「最低でも県外(移設)」との自らの発言を念頭に、「自分の言葉を守れなかった。沖縄県民を傷つけたことを心からおわびする」と表明、鹿児島県・徳之島の住民にも陳謝した。「実行力が示されていないと思われても仕方ない」とも語った。
米国との合意を優先した理由について、首相は「日米の信頼関係の維持が最大の抑止力」と考えたと説明。決着期限を5月末としたことに関しては、「参院選前に決着しなければ最大の争点になる可能性があった」とし、「(11月ごろの)沖縄県知事選前に結論を出すのが責務と考えた」と語った。
社民党の福島瑞穂党首の罷免については「根本的な部分で基地問題の考え方に違いがあった」と説明する一方、「社民党が望むなら新たな閣僚に入ってもらうことも視野にある」と述べた。
[時事通信社]