温首相「調査結果を重視」　韓国首脳らと会談

　【ソウル共同】中国の温家宝首相は２８日、ソウルで李明博大統領と会談し、韓国海軍哨戒艦の沈没問題について韓国、北朝鮮のどちらも「中国政府はかばうことはしない」と表明。国会の報道官によると、金炯オ国会議長との会談で調査結果を「非常に重視する」と述べ、今後、国連安全保障理事会常任理事国である中国が、安保理への問題提起の準備を進める韓国側に歩み寄る可能性に含みを持たせた。

　韓国大統領府によると、温首相は李大統領との会談で、中国は朝鮮半島の平和を壊すいかなる行為も批判、糾弾すると言明。調査結果や各国の反応などを重視しながら、客観的、公正に判断して立場を決めると語った。

　韓国に対しては、問題を「適正に処理することを望む」と述べ、冷静な対応を求めた。新華社電によると、関係各国が引き続き、北朝鮮核問題をめぐる６カ国協議の再開に向けて努力する必要性も訴えた。

　韓国は早期に問題提起の手続きを始めたい意向で、日米韓３カ国の協力体制を軸に、２９～３０日の日中韓首脳会談などを通じ、引き続き中国説得に全力を挙げる構えだ。

　温首相と李大統領は日中韓首脳会談開催のため２９日、韓国南部の済州島に移動する予定。