国内の主な出版社31社でつくる日本電子書籍出版社協会(電書協、代表理事・野間省伸講談社副社長)が、加盟社の電子書籍約1万点を、28日から発売されたアップル社の多機能携帯端末「iPad」で販売する。今秋からの予定だ。電子書籍端末の魅力は、コンテンツ(作品)の品ぞろえにかかっており、約1万点の一気のラインアップはiPad側にもメリットがある。
対象は、電書協が直営する電子書店「電子文庫パブリ」でパソコンや携帯電話向けに売っている電子書籍。いずれも加盟社の既刊書で、2万点のうち当面は半数ほどを投入する。最多価格帯は500〜600円で、iPadでも同額で販売する。
ラインアップには佐伯泰英さんの「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズ、坂東眞理子さんの「女性の品格」、浅田次郎さんの「蒼穹(そうきゅう)の昴」などベストセラーも多く含まれる予定だ。
これに先立ち6月からiPhoneでも販売する。将来は、iPadだけでなくほかの電子書籍端末でも、条件が合えば販売していくことになりそうだ。
一方、角川書店も独自にiPadなどの電子書籍端末に向けて新刊や既刊のベストセラー、ライトノベル、漫画など数十点を、秋にも同時に販売することを決めた。今年の本屋大賞に選ばれた冲方丁(うぶかた・とう)さんの「天地明察」が有力候補になっている。
他社との差別化を狙い、映像と電子書籍を組み合わせたり、ミニゲームから電子書籍に誘導したりする仕組みも作る。井上伸一郎社長は「遊びのノウハウから入って、本に導くような仕掛けを考えたい」と話す。(西秀治)
iPhoneユーザーに人気のあるパワーサポートの保護フィルムがiPad対応に。映り込みを軽減するアンチグレア仕様だから、映画のエンディングで自分の顔が大写しになってガッカリすることもない。