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電子書籍1万点、iPad向けに販売 秋から業界団体

2010年5月28日15時0分

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 国内の主な出版社31社でつくる日本電子書籍出版社協会(電書協、代表理事・野間省伸講談社副社長)が、加盟社の電子書籍約1万点を、28日から発売されたアップル社の多機能携帯端末「iPad」で販売する。今秋からの予定だ。電子書籍端末の魅力は、コンテンツ(作品)の品ぞろえにかかっており、約1万点の一気のラインアップはiPad側にもメリットがある。

 対象は、電書協が直営する電子書店「電子文庫パブリ」でパソコンや携帯電話向けに売っている電子書籍。いずれも加盟社の既刊書で、2万点のうち当面は半数ほどを投入する。最多価格帯は500〜600円で、iPadでも同額で販売する。

 ラインアップには佐伯泰英さんの「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズ、坂東眞理子さんの「女性の品格」、浅田次郎さんの「蒼穹(そうきゅう)の昴」などベストセラーも多く含まれる予定だ。

 これに先立ち6月からiPhoneでも販売する。将来は、iPadだけでなくほかの電子書籍端末でも、条件が合えば販売していくことになりそうだ。

 一方、角川書店も独自にiPadなどの電子書籍端末に向けて新刊や既刊のベストセラー、ライトノベル、漫画など数十点を、秋にも同時に販売することを決めた。今年の本屋大賞に選ばれた冲方丁(うぶかた・とう)さんの「天地明察」が有力候補になっている。

 他社との差別化を狙い、映像と電子書籍を組み合わせたり、ミニゲームから電子書籍に誘導したりする仕組みも作る。井上伸一郎社長は「遊びのノウハウから入って、本に導くような仕掛けを考えたい」と話す。(西秀治)

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