事業仕分け第2弾が注目されているが、真っ先に排除すべきは私利私欲の永田町政治家だ。それを改めて浮かび上がらせたのは、野中広務元官房長官が暴露した「官房機密費」の使い道である。以前からウワサされていた「外遊する議員に50万〜100万円」や「歴代首相に盆暮れ200万円」が事実だったことがハッキリしただけでなく、「小渕元首相の家の新築祝いに3000万円」と、政治に全く関係ないところで、歴代首相の個人サイフ代わりに使われていたのだ。私的流用も甚だしい。国民が汗水垂らして働いて納めた税金を、何だと思っているのか。
長年政権に居座り続けていた自民党は、税金に対する感覚が完全マヒ。“改革”を訴えて自民党を離党した面々だって、そのDNAを受け継いでいる。
最たる例が、舛添要一前厚労相だ。新党を設立するにあたって、はぐれ烏の集まりだった「改革クラブ」を乗っ取り、政党交付金(助成金)をまんまと手に入れた手法は、ズル賢いというか、ワル知恵が働くというか。助成金は今年1月1日時点で算定されるから、「『新党改革』なんていう政党に助成金を渡す許可を与えていない」というのが国民の総意だ。元妻の片山さつき前衆院議員には、「彼は党首になりたかっただけ」「利用できるものは何でも利用する」と週刊誌で本性をバラされた。
「大局を見据えて日本の方向を見定めようとするのではなく、チョロチョロ逃げながら助成金を手に入れようなんて姑息としか言いようがありません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
歴代最低レベルの麻生政権で財務相を引き受けながら、自民を離党、新党を結成した与謝野馨にしても、理念や政策の正反対な平沼赳夫元経産相と組んで、日本を良くすると本当に思っているのか。偏向思想の石原慎太郎都知事も加わって、メチャクチャじゃないか。
舛添、与謝野は27日自民党の党紀委員会で「除名」が決まった。比例当選だから離党→新党の前にバッジを自民党に返すのが筋だ。タダの人になって権力を振りかざせなくなるのがイヤなのだろう。
そういえば、昨年の衆院選で落選した自民党の元議員が、バッジ欲しさにみんなの党へ移籍するケースも目立つ。そんな私利私欲しか頭にないヤツらに、鳩山や小沢を批判する資格はない。
(日刊ゲンダイ2010年4月28日掲載)