南アフリカW杯
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【サッカー】本田要求 「オレを生かせ」2010年5月28日 紙面から おれの力を生かせ! ワールドカップ南アフリカ大会に出場する日本代表のMF本田圭佑=CSKAモスクワ=が27日、「個の力」の必要性をあらためて訴え、周りにも自分の力を生かす戦術を要求した。代表はこの日、スイスでの直前合宿2日目。午前は冷たい雨が降る中、11対11のミニゲームなどを行った。主力組に入った本田は「結局大事なのは個の力。変えるつもりはない」と、組織プレーの中でも信念を貫くことを宣言した。 険しい雪山に四方を囲まれたマッターホルンの山里で、金狼は「貫きますよ」「ここまで来たら、貫くことが大事だと思う」と何度も繰り返した。韓国戦の“戦犯”とされた本田圭佑は、「イングランド戦に向けての修正点は?」と聞かれると、自らに言い聞かすようにこう言い切った。 韓国戦で本田はゴール前のバイタルエリアに張り付き、重厚なマークにあって前を向いてプレーができず、まったく得点機を作ることができなかった。「組織」よりも「個」を優先させたためと批判を浴びたが、本田の考え方は違う。「もちろん選手間の距離を縮め、連動性を高めることは必要だけど、最終的に点を取るのは個の力。韓国戦はその個の力が足りなかっただけ。もう少し周りには、おれの個の力を生かすための戦術を要求したいし、周りはおれをもっと利用したらいい」。チームメートに対し、改めて得点力のある自分自身を生かしてもらいたいと要求した。 岡田監督も、この宣言を肯定するかのように、27日午前のミニゲームでは、本田をワントップのセンターフォワード(CF)として起用。チームの方針を再度、指し示した格好だ。 組織で攻撃をビルドアップしても、ゴール前の3分の1のエリアでは「個」の力がなければ、ネットを揺らすことはできない。オランダリーグで鍛え、今年からロシアリーグへ移籍し、欧州チャンピオンズリーグ(CL)でベスト8入りした本田は、それを痛いほど分かっている。「チームもこれまでやってきたことを貫き、おれ自身も貫く。変えてうまくいかなかったら、一生後悔する」と語気を強めた。 イングランド戦では、初めてCFとして起用される可能性がある。「勝てば(チームの)雰囲気は良くなる。勝敗もそうだけど、内容にもこだわる」と意気込む。初志貫徹。金狼にもう迷いはない。 (原田公樹)
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