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【プロ野球】

由伸 連発絶叫「最高です」

2010年5月28日 紙面から

巨人−ソフトバンク お立ち台で笑顔を見せる藤井(左)と高橋=東京ドームで(七森祐也撮影)

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◆巨人5−2ソフトバンク

 お立ち台のヒーローは珍しく声を張り上げた。「最高です!」。巨人の高橋が2008年4月15日の中日戦(ナゴヤ)以来となる2打席連続弾。腰の手術から再起を目指す天才に導かれ、チームはセ30勝1番乗り。2位とのゲーム差を今季最大の4・5に広げた。

 「2年ぶりの連発? 昨年は全然(試合に)出ていないから当たり前だよね。今は試合に出続けることがうれしい。こうして毎日出ることに体も慣れてきているのかなとは思う」。満面の笑みに充実感がにじんだ。

 右手負傷の小笠原を3戦連続で欠く正念場。前日3番に起用されたルーキー長野は職務の重さに“らしさ”を見失った。それならば、その責に耐えられるのはドン底からはい上がろうとしている高橋しかいない。

 宮崎・青島神社で行う春季キャンプ恒例の必勝祈願。高橋は今季の決意を絵馬に記した。「緊褌(きんこん)一番」。気を引き締め、相当な覚悟で臨むこと−。がけっぷちを自認する男は一打席もムダにはしない。

 3回は左腕小椋の高めに浮いたスライダーをバックスクリーン右に突き刺し、5回は抜けたフォークを左翼席に運んだ。「腰の入った、彼本来の打撃だった。まあ、できますよ。彼はコンディションさえ良ければできます」。天才の神髄が詰まった2発は、原監督もうならせた。

 08年と09年の2年間でソフトバンクには2勝6敗。前夜大敗を喫した難敵にキッチリ雪辱し、交流戦の前半を6勝6敗で乗り切った。「チーム状態が良くなくても五分で折り返したことを弾みにしたい」と指揮官。戻ってきた天才とともに王者も上昇気流に乗る。 (井上学)

 

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