ブランコ「申し訳ない」

　誰もが目を疑った。にわかに信じ難いミスが飛び出したのは４回だった。３点目を許して、なお２死一、三塁の場面。稲葉のセカンド正面のゴロを井端が捕球して一塁送球。チェンジと思った矢先に、ブランコのミットから白球がポロリとこぼれ落ちた。主砲の今季８個目のエラーで三塁走者が生還。吉見の足を引っ張る４点目を献上してしまった。

　「４回のエラー？　アンラッキーだった…。申し訳なかった」とブランコ。９回に１２号ソロを放ったが、虚しい空砲に喜びの表情はない。神妙そのもの。ブランコの失策が引き金を引いたかのように、６回の森野、８回の荒木、９回の鈴木とエラーが続出して今季ワーストの１試合４失策。今季４４失策も１２球団ワーストだ。辻総合コーチは「守りにくかった？　どこがだ。難しくなんかない。恥ずかしいよ、プロとして」とあきれ返る。

　試合後も左手をミットになぞらえ、失策を思い返していたブランコ。２安打２打点と差し引きしても大きなマイナスだった。　（中谷秀樹）