鳩山首相との会談を終え、引き揚げる社民党党首の福島消費者相=28日午後7時16分、首相官邸
鳩山由紀夫首相は28日夜、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題への対応をめぐり、社民党党首の福島瑞穂消費者行政担当相を罷免した。官邸で開いた臨時閣議で決定した。名護市辺野古に移設するとした日米共同声明を受け、首相は基本政策閣僚委員会で政府方針の閣議決定に署名するよう求めたが、福島氏が拒否した。社民党は連立政権を離脱する公算が大きく「重大な決定をせざるを得ない」との声明を発表した。
首相は記者会見で、3党の連立体制を維持する考えを強調。「沖縄の基地問題に取り組み続けることが自分の使命だ」と述べ、夏の参院選に向けて続投に意欲を示した。
だが「県外移設」を公言しながら実現できなかった上、閣僚を罷免する事態となり、首相の責任が問われるのは必至。社民党との連立が解消されれば、参院選への影響は大きく、進退問題に発展する可能性もある。
福島氏の職務は平野博文官房長官が代理で務めるが、鳩山首相は連立維持のため社民党内から後継を選びたい意向とみられる。ただ同党の反発は必至だ。
福島氏は会見で罷免について「沖縄を切り捨てることだ」と首相を批判した。社民党は30日の全国幹事長会議で、連立離脱の可否について最終決定する。