米アップルは28日、米国で大ヒットしている新型マルチメディア端末「iPad(アイパッド)」を、アップル直営店や一部の家電量販店で発売する。今後、日本でも吹き荒れる“旋風”を見越し、日本最大手の芸能プロダクション・吉本興業は27日、iPad向けに吉本新喜劇などの映像などが楽しめる「よしもとアプリ」を7月上旬から配信すると発表。吉本のお笑いを世界に広める壮大な計画だ。
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吉本興業が主体となり3月に開催された第2回沖縄国際映画祭には、翻訳なしで世界中の人を笑わせる映像を競う「ワールド・ワイド・ラフ」部門があり、今回は大道芸人・風船太郎の「だるま落とし」がグランプリを獲得した。
iPad向けの「よしもとアプリ」でも、こうした日本語が分からない外国人も楽しめる映像作品も提供し、海外のファンの発掘を狙っている。同社は「人気のiPadを通じて、吉本の笑いを世界に発信したい」と意気込んでいる。
7月上旬から配信予定のアプリの料金は一部動画を除き無料で、タイトルは月10〜20本ずつ増やす予定。劇場のライブ中継も検討しているという。また、タレントのブログやツイッターなどにより、リアルタイムな情報も楽しむことができる。
また、有料コンテンツは動画1作品300円程度での配信を計画。50年以上の歴史のある吉本新喜劇や、人気芸人が自ら監督した短編映画「ヨシモトディレクターズ100」など自社製作の作品を中心に提供していくという。
このほか、本をめくる感覚で読むことのできるiPadの特性を生かし、吉本芸人の書籍コンテンツも配信に向けて準備が進んでいる。