2010.5.21 11:38
前原誠司国土交通相は21日の閣議後会見で、会社更生手続き中の日本航空の稲盛和夫会長が塾長を務める私的団体「盛和塾」の塾生を対象に、日航が行っている優遇サービスについて、塾側が20日付で辞退したことを明らかにした。申し出を受け、日航は優遇サービスを取りやめた。
日航が行っていた塾生向けの優遇サービスは、ツアーの割引や塾生が紹介した乗客へのマイレージの上乗せなど。これについて、前原国交相は「一般法人と同レベルの優遇措置であり、稲盛会長の指示でもない」と指摘した上で、「盛和塾から日航にメリットを求めたものではない」と説明した。
盛和塾は、京セラの創業者で名誉会長である稲盛氏の経営哲学を学ぶことを目的とした若手経営者らの団体で、塾生は約5500人。稲盛氏の日航会長就任を受け、「JALを支援する有志の会」を3月に設立し、塾を挙げて利用促進活動に乗り出していた。
塾生への優遇サービスをめぐっては、公的支援を受けた企業として「公平性に問題がある」との批判があり、前原国交相は事実関係の調査を国交省航空局に指示していた。
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