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[18124] まおう
Name: SO◆e9f104b8 ID:473dff86
Date: 2010/04/15 22:48
「死ねえええええええええええっ!」
とても分かりやすい台詞と共に、勇者が全世界に住む人間から集めた
エネルギーを私に向かって解き放つ。
いわゆる元気玉というやつだ。ただドラゴンボールの元気玉と違うところは
放出された瞬間に私に命中したってことかな。

いや速いよ。速すぎるって。
もうちょっとドラゴンボールみたいに頑張れば回避できそうだなって感じの速さで来いよ。
というかもうちょっと戦えよ。出会いがしらとか何だよ。
こちとら前口上とか色々考えてたんだしさ。
もうちょっと戦闘前の会話とかあってもいいんじゃないか。

あ、もう駄目だ。消滅する。体をこの世界に留めていられない。

私は所謂魔王ってやつでさ。しかも全ての次元において最強な固体っていう
自負くらいはあるわけよ。
色々な世界に存在する魔王とか言われてるのをかなりの数知ってるけど
ぷぎゃーと笑えるくらいには強いしね。
でもさ。全部の次元から無理やり集めた力を食らったらさすがに無理。

私を超速攻でぶち殺したい気分とかまあ、分かるよ。結構な数の人間殺したしさ。
何しろ私も魔王らしく人間とか憎んでいたわけだしさ。
ちなみに元人間から魔王になったっていうよくあるケースね。
いわゆるスラムに住んでいた私は(魔王になった過程が長時間に渡って語られている)
ってなわけよ。

ああ、ちなみに私の肉体とっくに消滅しちゃってるね。きれいさっぱり。
超元気玉ぶっぱなした勇者も消滅しちゃってるけど。
威力凄すぎて自分も耐えられなかったみたいね。
でもまあ、なんていうかあれだよ、肉体は消滅しても精神は残ってる感じ?
ぐへっへっへ、私は何度でも蘇るぞーって感じ。
なぜなら私は人々の悪意とかそんな感じのが集まったものに私という意思がくっついた
存在だし。人間がいるかぎり私は何度でも現れるぞーって感じ。

でもまあ肉体きれいさっぱり消滅させられちゃったからにはおもくそ弱体化してる
んだけどね。人間がいる限り時間たてばどんどん力が復活していくけど。
今すぐ肉体を物質化することもできないでもないけど、もっと力つけてから
復活しないとまたやられ……あれ、どこだよここ。なんで私肉体があるの?
あーそう。ふーん。私召喚されたわけね。
弱体化してたからついつい御呼ばれしちゃったよ。

周りを見るといかにも怪しげな格好した連中が集まって私にひれ伏してるや。
いやね、あのね、私もうちょっと力蓄えておきたかったわけよ。
わかるこの意味?

っていうかなんか言葉わかんねーし。
なにこれ。
召喚するときゃ相手と意思疎通できるようなプログラムつくっとけよと
小一時間問い詰めたい。
私意思疎通できる魔法なんざ使えねーよ。
魔王だからなんでもできると思うなよこら。

さてどうしたものか、近くに勇者っぽいの居たら嫌だなと周りを見回すと、
なんか場違いというか明らかに毛色の違う人間が結界の中に居るのが分かる。
あーこれ生贄ってやつっすか。
生贄の体の中身になんか術式があるね。
ふんふんなるほど、こいつを食らったら力がつく代わりに周りに居るやつらに
操られる、そんな感じだね。
まー私としましても、普通にうち破れるくらいの力は余裕であるけどさ、

魔王なめんじゃねーぞこら、この程度で従属化できると本気で思ってやがるのか。

ムカツクんで辺りに居るやつ全員皆殺しにしてやってもいいが、
この生贄、勇者の縁者とかそんな感じだと嫌だなあ。
こいつ殺したら、敵だーとかいって、なんか凶悪なパワーアップした勇者と戦う
羽目になるとか嫌だぞ私は。

うーん、ぽくぽくぽく、ちーん。

よっし閃いた。
なーに、なんか前にいた世界と違うし、何もしなきゃ勇者も襲ってこないっしょ。
ああでもこのまま生贄放置しちゃって殺されたりでもしたらろくなことに
なんない気がするからとりあえず助けておくか。

私にとってはカスみたいな結界を弾き飛ばして生贄を抱き上げる。
うわなにこれ軽っ。なんかいい匂いする。可愛い。おっぱい私より大きい。

こいつぜってー勇者の女とかそんな感じだな。
わてくしの経験からいって間違いない。

変な薬でも吸ってるのか、なんかトランスモードになってるのがありがたい。
暴れられるのも面倒だし。

はっ、とエネルギー波なんてものを出して壁に穴を開けて逃亡。
ふははははは、明智君さらばだっ。



とりあえず数千kmほど移動、勇者近くに居たら最悪だしなっ。
せっかくだから海越えたよ海。

人気のない森の中まで移動して一安心。
ふう、勇者連中私を追いかけてきてなんてないだろうな。

ああっと、この生贄にかかってる変な魔法とっぱらっておかないとな。
なんかの目印にされたら目もあてられない。

ていやと、状態異常完全回復的な魔法を使うと生贄の目まで覚める。
うお、そういえばわざわざ連れてきた意味あんまりなかったんじゃないだろうか。
どこか安全そうな所で目を覚まさせから逃げておけばよかったような。

何か分からない言葉で話しかけられる。
こちらもどうせ分からないだろうけど、自分とこの言葉で話しかけてやる。
どーだ、話通じないだろう。

なんだか困ったか顔をされた後、頭を下げられる。
ああ、一応助けたからお礼って感じなのかな。

所で困ったことがある。
この生贄女をもといた所の近くに連れて行きたいのだが
召喚された位置わからない。
てきとーに飛んできたから元の場所に戻れない。
距離がちょっと離れすぎているのでどうしようもないな。

分からないだろうけど元居たところの近くに連れて行ってやることができないといって
悪いねと手を合わせてやると、言葉が分からないなりになんとなく理解したのか
私にしがみついて、何かを訴えてくる。
わかんねーってばよ。
まあ、元に勇者の元に連れて行ってくれとかそんな感じなんだろうけどさ。

どうしようかねえ、と考えてみたものの
さっぱりとよい方法が思いつかない。

わてくしとしてはこのまま勇者とか居ないところで力を蓄えた後に
人間に喧嘩を売っていっぱいぶち殺してやりたいとこなんだけど、
生贄女をこのままここに放置しておさらばするのもなんか嫌な予感がする。
生きててもらわないと勇者覚醒超元気玉コンボあたりをまた食らいそうなのだ。
ていうか、冒頭の勇者も割とそんな感じのイベントやったので
超はりきっちゃってたみたいだしなあ。
今は弱ってるので今度は精神までやられて私という意識が破壊されてしまいそうで嫌なのだ。





仕方ない、どうせ向こうからこっちのこと探すだろ、とこの場に住み着くことにする。
悪さとかしなければ助かるだろ。生贄女はちゃんと生かしておけば問題なさそうかな。

木を魔法でカッティングしたりなんか色々やって家を作成する。
一級建築士とか超余裕なので3時間くらいでできた。
弱ってるけど、わてくしってばまだまだ最強だね。

生贄女はわけが分からないといった感じで色々作業する私についてきたけど、
物凄い勢いでできる家の姿にびっくりしていた。
なんかもう色々疲れたので、とりあえず家に生贄女を連れ込んで休憩することにする。
悪いね、とりあえず勇者が引き取りにくるまでここに居て貰うよ。
ああ安心して、不老の魔法はかけておくから寿命で死ぬこたあないよ。
勇者が長命種で生贄女の寿命が短かったらろくでもないことになるだろうしね。

「生贄女、私の力がさっき殺された時より強くなるまでは居てもらうよ」










そんでもって何だかんだで200年くらい経過した。

「おぱ!おぱおぱおぱおぱぱーい!!」

この乳はいいものだ。心が安らぐ。
家の中で生贄女ことアリシアのおっぱいを揉むことに集中する。

「……もう長いこと、本当に長いこと揉んでいますけど飽きないんですか?」

「おっぱーい、おぱおっぱーい!!」

「まあいいですけど、そろそろお夕飯なのでそれまでには止めてくださいね」

「おぱーい!!」

なんか脳が退化してしまったような気がするが、構わない。
このおっぱいは素晴らしいし、相変わらずアリシアはいい匂いがする。
後ろから抱きしめておっぱいも揉みしだくが私の幸せ。





ここに住むようになって、分からないなりに喋り捲って居たら、
なんとか数年で普通に会話できるようになり、
意思疎通が楽になったんだけど、そうなると当然元に居た場所に帰す話となる。
まあ私は偉大すぎたので

「ごっめーん、あてくしとかアリシアの命の恩人だから私の傍にずっと居てね!」

この言葉で私の癒しとして傍に居てもらうことに成功した。
幸いなことに勇者とは、存在は知っているが顔見知りではないことと、
大切な人はもう生きては居ないとのことで、問題ない状態だったのだ。



そんでもって現在に至る。

昔は色々あったんで人間皆ぶちころすぞ状態だったんだけど、
今じゃそういった気持ちはあんまりなかったりする。
というか少なくともアリシアを殺す気なんてさっぱりないし、
アリシアのおっぱい揉んでいれば幸せ。

アリシアも、私のすることには結構飽きられたりもするのだけれど、
私のことは大好きみたいなので幸せそうである。
逃げ出そうともしないし、何も言ってなくても膝枕とかしてくれたりするしね!


というわけでめでたしめでたしはっぴーえんどでよかったよかった。




あとがき

実は続き物の予定だったのに終わってしまった。
続けられないこともないので続くかもしれないし、オムニバスな感じで
違う魔王を登場させるかもしれない。
ちなみに魔王の一人称はその場の気分で変わっているので誤字にあらず。



[18124] まおうと勇者の従者
Name: SO◆e9f104b8 ID:473dff86
Date: 2010/04/16 18:41
「のうぎょおーーーーっす」

ざくりざくりと畑を耕す。
ここ、魔物の森には食べるものがあるにはあるが、やっぱり米とか食べたいのだ。
種は遠くにある町のから購入している。自分で作るよりは人間たちが品種改良
頑張ったもののが美味しいのだ。

お金に関しては冒険者組合ことギルドに登録しているので討伐関係の仕事をこなして稼いでいる。
対象見つけたらその瞬間に終わるしね。
わてくし見た目が普通の少女なものだから当たり前のようにがらの悪い連中と
やりあったりもしたのだけれど、討伐モンスター(超巨大)を持ち上げながら
ギルドに持っていくにつれてそんなこともなくなった。
ちなみに初日は巨大鉄球を装備しながらギルドへ行った。



「お疲れ様です」

畑を耕し終えて一息ついていると、家の中で編み物をしていたアリシアがやってきて、
濡れタオルを手渡してくれる。
んー気持ちいいなあ。

「ありがとーアリシア。いつも愛してるー」

「そうですか」

あたくしの愛の告白にすました顔でクールに言葉が返ってきた。やだこの子格好いい。
それにしてもなんというかいつもタイミングいいなあ。
いつも私のこと監視しているのというのなら私はそれを歓迎してやるぜい!
見てええええええええ、私をもっと見てえええええええええ。

はい、自重します。だから冷たい目で見つめないで。




「所でまた人がやってきたみたいだねー」

「……そうですか、食事も十分な量がありますし、お薬も不足分はないので問題はなさそうですね」

私たちの住む森には魔物がうようよと居るけど、人間がやってこないというわけでもない。
この辺りにしか居ない魔物の素材(高く売れる)目当てや、
この森にしか存在しない薬草等を求めてやってくる冒険者がやってきたりもするのだ。

わてくしはちょっと偉大すぎて、理性のある魔物もない魔物もまとめて私を恐れて
近寄ってこないので、魔物から逃げ回っている冒険者達は、自然とその中心地である
私の家にやってくるのだ。

そして逃げ回ってくる冒険者は概ね追い詰められているので、
無理にでも家にやってくる輩が多いから、近くに寄ってきたら分かる魔術的な仕組みを
家の周りに作って置いてあるのだ。
一度乳揉みながらまったりとしている最中に、体中怪我をしている冒険者達が家に雪崩れ込んできたことがあったのだ。

あの時は拙いものを見られたと恥ずかしがるアリシアが可愛かったな、ぐへへへへ。






「あの、助けてください!ユウヤが、ユウヤが!」

「だい、じょうぶ、だよ…大丈夫、大丈夫……」

案の定といった感じで怪我人を連れた2人組みがやってきた。
片方は意識朦朧として体中ぼろぼろの少年、ていうか勇者。
なんぞやこのイベントは。

もう片方は当たり前のように美少女な子である。
勇者の周りには可愛い子が集まるの法則だ。
まあ、中にはがちむちな筋肉連中に囲まれた勇者や
選りすぐったかのような不細工な女集団に囲われた勇者(男)も居るには居たが、
概ね美人美少女に囲まれている。
美人だけどオルステッドーなネトラレ勇者も居たな。殺したけど死に顔はどこか
安堵の表情だった。



まあそんなどうでもいい回想はともかく、とりあえずこの勇者をどうしたものだろうか。
一瞬悩んだが、まだまだ私は全盛期には遠く及ばないし、勇者関係とはまだ敵対したくない。
即座に二人ともぶち殺してやることは可能だけど、完全犯罪でも
犯人に辿り着くのが勇者。占い師的なのも世界には多数存在するし、勇者と呼ばれる
存在も多数存在するので、どうせ厄介なことになると相場は決まっている。
魔王的超ヒールでとりあえず問答無用で癒してやることにしよう。
ラスボスの癖に全回復とか使っているんじゃねーよとか怒られそうな技だが
普通回復魔法覚えるだろう、常識的に考えて。

「あああああ、ユウヤ!ユウヤ!ありがとうございます。本当にありがとうございます!」

傷ひとつ無くなり元気になった勇者の姿に、私に感謝の言葉を続ける勇者の相方。
うむうむ、超感謝だな。まあこれで敵対とかはとりあえずしないんじゃね?

「傷は治したけど一度休んだほうがいいだろうね。部屋は貸してやるから休んでいきな。
食事は後で持っていかせるからさ」

「何から何まで…このお礼は必ず。ほら、ユウヤもぼさっとしてないでお礼言いなさい!」

「……あ、ああ。ありがとうございます」

私に対して何か違和感を感じているのか、たどたどしい言葉でお礼を言う勇者
さすが勇者だねえ、鋭いったらありゃしないよ。

「どうしたの?礼儀正しいあなたらしくない」

「いや、なんでもないよ。ごめん」

「ほほほほほ、気にしにゃい気にしにゃい。さーさ、部屋はこっちだよ。
アリシアは何か栄養があって食べやすいもの用意してあげてね」

「かしこまりました」

迷い込んだ冒険者用に、私たちの住む家とは別にもう一軒家を作っていたので、
そちらの方に連れて行く。いやあ作っておいてよかったよ。勇者と一緒の屋根の元で
寝泊りとか超びくびくするね。



「それじゃ、この部屋でゆっくりしっていってね。食事も後で持ってくるよ。それじゃ」

「何から何までありがとうございます。あの、所でこちらに住んでいらっしゃるのですか?」

呼び止めるなよごらー。こちとらさっさと勇者からは退散したいんだよこらー。
まあ不思議に思うよね。勇者でも苦戦するような魔物が大量に居る森なのに
普通に住んでいるとかさ。

「んーまあねえ。この辺りはなぜか魔物が襲ってこないから安全なんだよ。
ああ、ユウヤ君とやら、体の傷は治したけど無くなった血は戻っていないのだから
寝ておいたほうがいいよ。食事ができたら起こしてあげるからさ」

血を増やす方法もあるといえばあるだが、実に魔物的な治り方になってしまうので
かけることができなかったのだ。体中が膨れ上がって魔力で血を大量生産した後に
元に戻る感じ。

「……ああ、そうですね。お言葉に甘えて休みます」

そう言ってベッドで横になると、疲労がたまりすぎていたのかすぐに寝息が聞こえてきた。

「おやすみユウヤ。えーと、それにしても凄い回復魔法ですね。……私も少しばかりなら
使えるのですがあそこまで酷い怪我になるとどうしようもなくて。まだお若いのにあなたは高名な魔法使い様なのですか?」

「あーいや、そんなことないあるよー。昔っから魔法は得意でねえ」

「(どっちなんだろう)」

無論嘘で、スラムで生活していた頃はさっぱりと魔法なんざ使えなかったけどね。

「それで、その…厚かましいお願いではあると思いますし、初対面の貴方に言うのは
かなりどうかとは思うのですが、私に回復魔法を教えてはいただけないでしょうか。
今回はあなた様に助けられましたがまた
あのような事があれば……この分のお礼は追加致します!私にできることなら何でもしますから
お願いします!」

「乳(揉ませろや)……いや、あなたの心意気にうたれたわ、お礼なんてなしで
教えてあげるわよ。訓練は厳しいけどついてきなさいっ。それから私のことは
ししょーと呼べ!」

「は、はい!師匠!(ちち?)」

勇者の体力が回復するには、いくら勇者とはいえ、2,3日はかかりそうである。
とはいえ、その短い間に強力な回復魔法が使える程度に育てられるのは私くらいなものだね!

こうしたこつこつとした積み重ねが勇者に殺されないフラグだと思うのよね。
ぷるぷるぷる、僕悪い魔王じゃないよー。






あとがき
ワンダープロジェクトJ。
感想板に小ネタがあったりする。



[18124] まおうと勇者の従者と魔王
Name: SO◆e9f104b8 ID:473dff86
Date: 2010/04/17 21:55
「野菜戦士ダイコーン行きなさい!」

「うぼああああああああああ」

大根が合体し、勇者のお供ことアイリーンに襲い掛かる。
だけど所詮大根なのでアイリーンのメイスによって一撃で叩き潰された。
大根弱いよだいこん。

「よし、ヤサイ人達はこれで終了。お疲れ様でした」

「はあ、ふう、お疲れ様でした」

他にもニンジーンやらレンコーンやらジャガイモンやらと戦わせたので、
さすがにアイリーンも疲れた様子みたい。
倒された野菜達はスタッフ(勇者)が全て美味しく頂きます。
腹がぱんぱんになっても野菜のターンは終わらないぜ!

「結構レベル上がったね」

そう、回復魔法を教えるということになったのだけれど、
魔法なんてやつは結局レベルがものを言う。
勉強等でも僅かに経験値が入るので、それで強い魔法が使えたりもするのだけど
時間がかかりすぎるんだねこれが。

色々なのを殺しまくって経験値を得てレベルアップするのが一番効率が良いのである。
レベルアップした時に、物理攻撃で倒すと力が上がりやすいというのもあるのだけれど、
魔力値なども普通に上昇するので、とにかくレベルアップをさせることにしてしまった。

なお、ヤサイーズは私が作ったヤサイモンスターで、レベルは高いのだけど
能力値の振り分けを全て魔法防御に突っ込んでいるので雑魚だったりする。
それでもレベルが高いのなら強いのじゃと思われるかもしれないけど、
人間達のレベルアップと違い、私が作るモンスターは力1の魔法防御300といった感じに
極端なステータスにできるのでやっぱり雑魚なのだね。

そしてレベルが高いものを殺した場合だと、いくら弱くても経験値が沢山入ってくる。
だからアイリーンは数匹ヤサイモンを倒しただけだというのにレベルアップをしまくって
とても強化されたのだ。もちろんステータス上昇は力がメインに上がったけどね!

「さあさ、ヤサイ様を倒して儀式は終わったよ!これで強い回復魔法が使えるようになったね!家族がふえるよ!!やったねアイリーンちゃん!」

「え?(家族?)」

元ネタは調べないほうがいいね!

「あはは、それじゃ回復魔法教えるよ」

「(この人は時々わけの分からない事を言うなあ。儀式とかいって変な化け物を倒させるし。
倒してからはなんだか力が沸いてきたような感じがする。
悪い人では…悪い人では……なさそう?だけど)」



もちろん私は天才かつ偉大すぎたので、1日で結構強力な回復魔法を教えることに成功する。
アイリーンも勇者のお供だけあって優秀だしね。
勇者が全快するまでは、まだ時間がかかるので、その間はアイリーンから
町の情報やらを色々聞きだしたりした。
ここ数年町に出ていないから世俗のことがさっぱり分からなかったんだよね。

自分達が勇者一行だってのはぼやかしていたけど、なんか魔王とやらが出てきたらしい。
その力は強大で、どこぞの大国が魔王軍によって滅ぼされたとかどうとか。

うむ、素晴らしい避雷針だ。さあさ勇者達よ、頑張ってその魔王とやらを退治するのを
頑張ってくれたまえ。私は何もしないから放置でいいよー。



勇者達を送り出してからはまた平和な日々が続く。
実は私たち勇者一行なのです、できればついてきて頂けないでしょうか的なことが
あったけど、無駄に辛そうな目をしつつ
「ごめんなさい、行けないの……」
と理由ありげな感じで言ったら、私こそ無理を言ってごめんなさい、とかいう感じ
になったのでついて行かなかいで済んだ。
まああんたらはてきとーに他の仲間集めて頑張れ。イザユケボウケンシャー。

なんで行けないのかって、乳揉むのに忙しいからだよ!
後農業。
アリシアは私に対する好感度が高すぎるせいか、行かない理由を聞かなかった。
たぶんなんか勘違いしたんだろうけど、なんだか普段より気持ち私に対して
優しかった。



新しく出現した魔王軍とかが私の住む森にやってきたりもしたけど、
近寄ってきては退却、近寄ってきては退却を繰り返していき、
最後に魔王らしき人物が近寄ってきたかと思いきややっぱり帰っていった。
最近の魔王は根性がない……そこまで私が怖いのか。
まあ恨みを買うのは超面倒なので良かったけどね。

あ、そういえばこの森も守るために留まったとか勘違いしたのかな?
まあ間違いでもないけれど。





数年経過し、私が相変わらずアリシアの乳を揉んでいると、アイリーンと
勇者とその他3名がお礼を言いに家へとやってきた。
なんでも魔王をぶち倒してきたらしい。
主にアイリーンが。
他のメンバーが雑魚達を抑えている中、一人で魔王+四天王を殴り殺したとか。

……レベルアップさせすぎたか。






あとがき

第3話でのレベル

倒された魔王 LV169
アリシア   LV28
ユウヤ    LV52
お供その1  LV48
お供その2  LV36
お供その3  LV57
アイリーン  LV263

まおう(笑) LV59884191821981



[18124] まおうが勇者として召喚されました?
Name: SO◆e9f104b8 ID:473dff86
Date: 2010/04/19 01:34
「ああ勇者様、よくぞ御出でになられました。どうかこの国をお救い下さい!」

わてくし魔王ですが何か。


ことの始まりは、実によくある話である。
突如現れた鏡に触れたとたんに異世界へと飛ばされる。
うむ、よくある話だね。それが魔王だってのも、数多くある御伽噺の中には、
きっとそれなりにあるんじゃないだろうか。
うん、たぶんそれなりにあると思う。
まさか自分がそうなるとは思いもしなかったけれど。

魔王として呼ばれたり勇者として呼ばれたりと私も忙しいなっ。

辺りを見渡すと、怪しげな魔法使いーずと、先ほど私に驚きの発言をしてきた少女。
どうやらこの少女が私を召喚したようだ。

顔よし、スタイルぺったん、身長小さい美少女だ。
将来性に期待といったところである。
おっぱいに貴賎はないが、私の前ですくすくと乳が育っていく姿を見るのも
とても素敵なことなのだ。
むろん小さいままでも愛せるが。

さて、とりあえず何で召喚されたのか聞いてみるかね。
国をお救い下さいとかいわれたが、どうしたものかねえ。
勇者を呼び寄せたくらいでどうにかできることといえば、
敵の親玉でもぶち殺して来いとでもいわれるのだろうか。

「強引に連れてこられたけど、一体私に何用なのよ。下らない用事なら
すぐに帰らせてもらうわよ」

「ああ勇者様、勇者様。そのようなことは仰られないで下さいまし。
あなた様の助けが必要なのです。そう必要なのですよ」

2回言うな。どうでもいいことを。

「ふーん、ああ、この召喚の術式、私の超苦手な意思疎通と召喚者に対して
好意を持たせるようになっているんだ。なるほどなるほど、結構悪どいねえ」

当然精神操作系統なんて私に効くはずもないけどね。
魔王なめたらあきません。

「そんなことはしておりません!まずはどうか私のお話を聞いていただけないでしょうか?」

してるから。思いっきりしてるから。
知らなければOKとでも言いたいのだろうかこいつは。

なんだか精神的に疲れてきたような気がするぞこれは。
何事もなかったかのように元の世界戻ってアリシアの乳で癒されたくなってきたなおい。
それか魔王らしく、周りに居る連中皆殺しにしてやろうかしら。
勇者とかに付きまとわれそうだからしないけどさー。

「まあいいさ。話しなよ。聞いてあげるよお前の話をさ」

「ああ、勇者様勇者様、御慈悲をありがとうございます。さすがは勇者様ですわ」

なんだこの○○○○。勇者勇者煩いよ。魔王だよ私は。
ていうかさっきからこいつから力貰えてるってことはろくでもない性質を持ってるってことなんだよなあ。
わてくし負の感情とかで勝手に成長する体質なんで。
狂気が凄いよこいつ。勇者信仰の狂信者だなこれは。
勇者の為なら自分のことなどどうでもよいと思っていながら、
勇者なら自分達の為に何もかもをするとか思っていやがる。

まあいいさ。これもまたよくあるお話だよ。







あれからまた糞みたいにうざったくもったいぶった話が続いた。
要点をまとめりゃ、魔族に襲われてるので、総大将をぶち倒して来いって話だね。
兵糧も少なく、周りの国からも助けて貰えず(物凄い非難を交えて言っていた。うざい)、
町からはどんどん人が逃げ出しているとか。
あがががががー、なんか心がどんどん元の私らしく荒んでいっているぜい。
また人類に恐怖と絶望を味合わせたくなるぞなもしー。
勇者にまたぶち殺されそうなんでしたくないけどさ。
というか引きこもるか。よし、引きこもろう。
ていうか、よくよく考えたらすぐに帰れるのになんで居るんだか。
あばよ、とっつあーん。





「アリシア大好きー」

元居た世界にさっくり戻った私は、すぐさまアリシアに向かって突撃をかまし、
抱きしめた。あーいい匂いがするー落ち着くー大好きだぞー。

「いきなりどうしたんですか」

「んーん、なんでもないのー。私ね、アリシアのこと大好きなだけなんだから」

「凄い求愛ですね。まあ口説き内容によっては受け入れてあげなくもないですよ」

「んとね、あのね、アリシアっていい匂いがするのー。おっぱいに埋まると
幸せになれるのー。私のために作ってくれる料理も好きなのー。
他にもね、ええと、ええと。全部全部大好き!」

「5点。100点満点で」

ががーん、少なすぎるなそれはっ。

「それちょっと少なすぎない?」

正面から抱きしめたのを一度離してから、後ろに回り、服の隙間から生乳を揉みながら非難をする。
ほわわわわーん、幸せじゃー。

「いえ、幼児言葉でそんなこと言われても。後ちょっと頭悪そうです」

確かに。

アリシアのおっぱいを揉みながらまどろんでいると、またどこかで見たような鏡が出現する。
なんかまたきたよ。

「これはなんでしょうか」

アリシアが手を伸ばし、鏡に触れようとするのを押し留める。
しかしどうしたものか。さすがにちょっとうざったすぎるぞ。
なんか光っているし変な効果音まで鳴らしている。

「んーーーーー。まあいいか」

アリシアのおっぱいから手をどかし、普通に抱きかかえ、とある魔法をかけた後に鏡に手を触れる。
そうすると、今度はアリシアも連れた状態で異世界へと飛ばされた。



「ああ勇者様勇者様。お仲間をお連れになられたのですね!」

またうざ少女が現れた。
ていうかあんたが呼び出したんだろうが。
周りを見ると、なんか周りを囲む魔術師っぽいのの半分が干からびているのが見える。
こいつらの魔力で召喚の補佐していたのか。

「……先程様子がおかしかったのはこのせいですか」

アリシアは鋭いねえ。いや、普通分かるか。
ちなみに先程かけておいた魔法のおかげで、召喚される際に相手に好意をもつ魔法を無効化できている。

「勇者様勇者様、準備ができたと思って宜しいのですね!さあさ、今晩は城にお泊りになって、
英気を養ってください!」

「へいへい、分かりました。アリシアもそのようにしてね」

「もう少し説明が欲しいところですが……いえ、やはりいいです。何だか疲れそうで」

「それで正解だよ」

「嫌な予感しかしない……」

その後、物凄いご馳走が振舞われ(食料少なくなってたんじゃないのか)、巨大な浴槽でのんびりした後に、
とても豪華なベッドのある部屋に連れてこられた。
普段森の中で住んでいるので中々できない贅沢だな。
だからといってここで暮らしたいかと言われたら、絶対にNO!と叫んでしまいそうだけれども。

ともあれ、今日は無駄に疲れた。魔王であるからしてまだまだ戦えるといえば戦えるのだけれど、
そこまで頑張りたくはない。さっさと休むことにしよう。
それにしてもアリシアと一緒に寝ないのは久しぶりだなあとか思っていると、
ノックの音が聞こえた。
雰囲気からしてアリシアじゃないとわかっているのでベッドにうつ伏せになりながら
てきとーにどうぞーと答える。

「失礼します。夜伽に参りました。お好きにお使いください」

精神にアレな匂いを撒き散らせながら、美少年が現れた。
無駄に薄着でなんかすけちょる。
はっはっは。

死ね。

っと、危ない。殺すところだったぜい。
なんかいいよもう、殺しちゃおうぜとか私の本心が声援を送ってくるのだけれど、
理性が厄介なことになるから駄目だよと言ってくる。
う、うん。そうだよね。
まあこいつは無視だ。大丈夫だとは思うけどアリシアの所へ行こう。

無表情で美少年とすれ違うと、何やら私を押し留めようとしたので
金縛りにかけてやる。朝になるころには動けるようにはした。
あーもう面倒で面倒でこの世界破壊しちゃうぞ☆

愛の力でアリシアの部屋を見つけ出し、部屋の中に入る。
そうすると、顔面がぼこぼこになった(元)美少年が部屋の片隅で転がっていて、
当のアリシアはぐっすりと眠っていた。

うわあ、なんか凄い安眠って感じ。
なんだか悔しくなったのでアリシアの寝床に潜り込む。
うんうん、やっぱりこれだよお母さん。
げへげへ、いい匂いがしますなー。

「ごふっ」

裏拳食らった。
しどい。







「勇者様勇者様勇者様、昨晩の者は気に入らなかったのでしょうか?」

朝からうざいねこいつは。

「ああ、あれね。いらないいらない。二度とあんなことしないで頂戴」

「承知致しましたわ勇者様。それでは全員処分しておきますね」

うわあ、夜伽専用の人物作っておいて必要なくなったら処分ですか。
かっくいいー。

ていうかこいつ普通に悪サイドの人間だろ。
そうだね、最初からそう考えておけば普通普通。
ていうか全然甘いよ甘い。
最悪と呼ばれる悪党よりは全然ましだよ。

最初に勇者とか言われたからなんか勘違いしてたなあ。
うんうん、なんか気持ち悪いのが取れたよ。

「黙れメス豚」

あ、アリシアが切れた。



あとがき
勇者として呼ばれたかと思ったけど、そうでもない話。



[18124] まおうと○○の国
Name: SO◆e9f104b8 ID:473dff86
Date: 2010/04/19 19:01
「あれあれあれれ、何か聞き間違いをしてしまったようですよ。そうですよね。
勇者様のお連れの方がそんなことを言うはずがないですよね」

「拘束」

アリシアの魔法が召喚女に炸裂し、身動きを封じる。
辺りには誰も居ないのでまだ騒ぎにはなっていないが時間の問題だろうね。

「ふがはがっ、あがっ」

「何言っているんだか分かりませんよクズ」

冷徹な目で召喚女を見抜くアリシア。あれーこんなキャラクターだったっけ?
私にはあんなに甘いのになあ。

「洗脳されているわけでもなく、自分の意思で行っているとはね……
ええ、そういう教育でもされていたのでしょう。ですので躾を行います」

ビンタ。ビンタビンタビンタビンタビンタビンタビンタビンタビンタビンタビンタビンタ。

気絶しないように連打連打連打っと。
なんだか目が虚ろになっているねえ。
あ、洗脳されてないってのは昨日のうちに教えておいたんだよ。

「お仕置きです」

今度はスカートをぺろんと捲り、お尻を出す。

バシンッバシンッバシンッバシンッバシンッバシンッバシンッバシンッバシンッ。

おー尻ペンだねえ。
見事に真っ赤になってまあ。

あーあー、可愛い顔が鼻水と涎と涙で酷いことに。

「拘束解除」

腰が砕けたのかしゃがみこんで泣き叫ぶ召喚女。
なんかアンモニア、はっきりといえば尿の臭いがするねえ。

「ふええええええええええええええん」

「泣きやみなさい。泣いたところでどうにもならないことは、あなたも知っているはずです。
だってそうでしょう。なぜならあなたは外道だから。泣き叫ぶ相手に慈悲を与えたことは?
ないでしょう。ええ、泣いたところでどうにもならないです」

アリシアが冷徹な目で召喚女を見下す。

「ええそうです。今泣き止まなければどうなるのか、想像できますよね?」

「は、はい。はいいいいいいい」

「はい、よくできました。これからも躾けて上げるので感謝してくださいね」

召喚女の頭を撫でながら言うアリシア。

「ありがとうございますご主人様ぁ」

あー落ちたなあ。

「媚びる必要はありません。私のことはアリシアと呼んでください」

「はい、アリシア様!」

「宜しい。それではまずあなたの名前教えて」

「エキドナですアリシア様!」

「エキドナ、悪いことをしたら叱ってあげるし、良いことをしたら褒めてあげるわ。
だからこれからは褒められることをしなさいね」

「はい、アリシア様!」

うーん、アリシアの知られざる一面を見たというかなんというか。
ちょっとお姉さんどきどきですよ。
私もちょっと叱られプレイしたくなってきたな!

「さて、そちらで覗いている方々。こちらにいらっしゃい」

視線の方向を見ると、壁際に体を寄せながらこちらを見つめる多数の人の姿が見える。
服装はとても高級品で、身分の高い連中だってことはわかるね。

気になることは、アリシアを見つめる視線がなんというか。

「叱られたいのでしょう。さあ」

何かに取り付かれたようにふらふらとアリシアに近づく貴族らしき人たち。
卑屈な目をし、何かを期待しているというか。

「ふひっ、ふへ……実は私(悪事の羅列)をしてまして」

アリシアの躾が始まった。








その後の地獄絵図は魔王の私でもあまり語りたくはない。

何が凄いかって、この国の要職に就いている者たちの10割がアリシアの躾をうけたってことだね。あれから続々と貴族王族が集まってきたんだ。

ぶひぶひぶひぶひと豚の嬌声が鳴り響く様子は、まさしく地獄といっていいと思う。



全員マゾか、全員マゾだとは流石の私も分からなかったぞ!
叱られたかったのか!?叱られたかったのかあんた達は!!




その後の国は、国民にとってはいい方向に進んでいったのだと思う。
足りなかった食事も、溜め込んでいた貴族が食料を開放したおかげで
余裕ができたし(5年分はあったそうな)。

襲い掛かってきた魔族に関してはM男M女集団(貴族王族連合)が、(M達の)正装で
迎え撃ったら帰っていった。
なんでも魔族の総大将は、昔この国の人間達に恨みを持っていたらしいのだけれど、
今のTOP連中のあまりの酷さに復讐する気力が潰えたそうだ。
魔族が居なくなっても、魔物達が残っていたのだが、攻撃も受けても、死にもせず、
こちらに攻撃もせず、ひたすらテンションがあがっていく姿は、
魔物達にPTSDを与え、当分の間、人間を見るだけで逃げ出す魔物が続出したという。





「アリシア様アリシア様、美味しいご飯ができましたよ!
きゃあ!おっぱい揉まないでくださいナイア様!」

ちっぱいを愛でたくなったので連れてきた。反省はしていない。

アリシアが食事を作っている最中におっぱいを揉むと危険なので
揉んでいなかったけど、エキドナが食事を作ってくれるようになったので、
思う存分アリシアのおっぱいを揉めるようになった。
幸せ。

もちろんエキドナのちっぱいを揉まないという選択肢はないので、
食卓に移動しがてらおっぱいを揉む。ちっぱいもいいおっぱい。



あの後、国中がえらいことになったけれど、なんだかんだで平和へと導かれていった。
貴族王族全員生粋のMだけど、アリシアがうまく躾けたみたい。
税率も下がって、他国との関係も良好になったとか。

全員がアリシアについてこちらの世界にやってこようとしたけど、
アリシアがうまく押し留めてくれた。いわゆる「待て」だそうな。
アリシア的には全員置いておきたかったようだけど、召喚女ことエキドナだけは
連れてきた。理由は先述の通りね。

私よりもアリシアになついているのが残念だけど反応が楽しいので
それはそれでよし。アリシアのやることは全て受け入れちゃうしね。

とまあ、そんなわけで今回の事件は実に平和的な方法で終わったのである。






あとがき
Mでなくては王族貴族になれませぬ。
ちょっとありきたりなネタかなとは思ったけど、それなりに綺麗にまとまった気がする。



[18124] まおうと呪い
Name: SO◆e9f104b8 ID:473dff86
Date: 2010/05/27 18:47
「雨が降ったので今日はアリシアのおっぱいを揉む日になったよ」

いきなり最低なことを言ったにも関わらず、おとなしく私の前に座って
待ち構えるアリシア。愛してるぜー。

「アリシア様アリシア様アリシア様。お嫌でしたら私が代わりを引き受けましょうか?」

エキドナが身代わりをかってでる。
相変わらずアリシアへの好感度が高いなあこいつは。

「……あ、ごめんなさい聞いてなかった」

「はううううううう、厳しいお言葉!エキドナなんか感じちゃいますよ!!」

スルースキル高いな。そして身悶えるなM。

「いやーあたくしが言うのもなんだけど、もうちょっとエキドナに構ってやっても
良くないかねえ?」



「今、スルーしてあげたじゃないですか」

ああ、プレイだったのか。
なんか喜んでいるしいいか。

「アリシア様アリシア様アリシア様。いつもいつもご褒美ありがとうございます!」

「だんだんと正常な性癖に戻すようにするので、そうなったらここもまた静かになりますねえ」

エキドナのほうを見もせずに呟くアリシア。やっぱり変態を相手にするの嫌だったんだなあ。私に乳揉まれるのは平気になったみたいだけど。

「私の意志を無視して断言!エキドナはまたもいっちゃいますううううう」

こいつ、来たときより変態になってないか?









最近毎度になってしまった変態的なやりとりが終わり、
なんとなく膝枕の気分になったのでうつ伏せになりながらアリシアの股座を
くんかくんかしていると、何者かが森に進入してきたことに気がつく。
あたくしは凄いので私達が住む森に近寄ってくる存在全てが分かるのだ。
もっとも私の気配に怯えるせいか、動物や魔物達は出て行くことはあっても
入ってくることは少ないので、回数は少ないけど。

今回の気配は人間で数は5名。
どっかで感じたことのある気配だなーと思っていると、
どうやら私達の住処に一直線でやってきているっぽい。
知り合いかねえ?



ドンドンドンと扉を叩く音が聞こえる。
移動速度も速かったし急ぎの用件っぽいなあ。

「はいはい何かなー?」

なんかあると面倒なのでエキドナとアリシアを制して、私が扉を開けてあげると、
雪崩れ込むように5名の人間が玄関に入ってくる。
あーあー、雨でぐちょぐちょだねえ。息も荒れてるし、むさ苦しいおっさんが
3名も居るし、なんだなんだ。

「助けてください!」

おっさん達に隠れて姿は見えないけど、どこかで聞いたような声が…
あ、思い出した。この間魔王退治してたアイリーン達だ。










「ありがとうございます」

「あざーっす」

「ありがとう」

「感謝する」

アリシアに温めのお茶を用意させて、アイリーンとおっさん達に振舞う。
勇者はというと、用意した簡易ベッドで魘されながら眠っている。

こいつはいつも倒れているな。

アイリーンの話を聞いてみると、なんだかどこかで聞いたことのあるような話をしてきた。

簡単に言うと、

・魔王退治してきた勇者とかまじいらねえしwwwww

・むしろ民衆に絶大な発言力ができるからいらないよねwwwwwww

・じゃあ殺そwwwwwwwwwでも普通に殺すと暴動起こるかもしれないから
なんか呪いでもかけて殺さねえ?wwwwwwwwwwwwww

・うはwwwwwwおkwwwwwwwwwww

・俺のとこにいい呪術師いるよwwwwwwwwwwwwwww

・完璧すぐるwwwwwwwwwwwwwwwwww

ってな感じだ。

なんでそんなこと知っているのかというと、呪いにやられた勇者のお見舞いをしている
アイリーンに、わかりやすい悪役を目指しているのか一部始終を教えに来たそうな。

で、アイリーンに対して俺の女になるなら命だけは助けてやるよとかふざけたことを
言ってきたので、とりあえず貴族連中全員に男性器が不能になる呪いをかけてから
勇者を連れてここまで逃げ出してきたそうな。

そういえば、この間着たときに、もしも戻ったときに変なことされたら
うちにおいでよ的な言ったな私。



「それで、ユウヤは治せますか?」

以前に回復魔法は教えたけど、呪い関係のことは教えてなかったなと思い出す。

レベルが高ければ回復魔法を結構簡単に覚えられるんだけど、呪い関係についは
複雑すぎて教えるのが面倒だから止めておいたんだったなあ。

まあ、魔王であるわてくしにとっては呪い関連とか得意分野すぎるのでさくっと治してあげるかね。
はい治った!

簡易ベッドで眠っていた勇者の呼吸が整い、顔色も良くなる。
ああ、私は偉大すぎるなあ。

「もう治したよ。体力は戻ってないから起きたら色々と面倒見てあげなさい」

体力も戻せるといえば戻せるんだけど、ちょっと苦手なので
勇者の筋肉がえらいことになる可能性が非常に高いので止めておいた。

以前にギルドの依頼で、村の警備をしている時に毒を撒かれ、
毒と犯人を消した後に、村人達を救う為に体力を復活させようとしたら
村人全員がガチムチになってしまい、えらいことになったことがあったんだよねえ。
大人も子供もお姉さんも。

「もうですか!?ありがとうございます。ありがとうございます」

「すげえ」

「さすがは姐御だ」

「オッス!オッス!姐さんオッス!オッス!」

最後のはなんだ。





一週間ほどして勇者の体力が戻り、さてこれからどうするといった感じになる。

戻って復讐しに行くとか、民衆を扇動して革命でも起こすとか。
その他物騒なことを例に挙げてみたのだけれど、勇者は血が流れることは
したくないらしい。
そしてできればこの森で静かに暮らしたいそうな。
おっさん達は途中で仲間になったので、顔が売れていないから暫くしたら出て行くそうだけど。

勇者を即座に殺しにかかってくるようなとこって
ろくでもないんだろうからさくっと潰したほうがいいと思うんだけどねえ。


「ああそうだ、今貴族達って全員EDなんだよね?」

「キャー!そういうのもいいご褒美になりますよね!!」

エキドナ煩い。ほんとうにあんたらは何でもありなんだな。
それにしてもアイリーンはさりげなくえげつない呪いをかけたものだなあ。

「え、ええ。数少ないお世話になった所にはかけていませんけど」

やたら喜色をあらわにしているエキドナに若干引きながらアイリーンが答える。
まあ引くよね。普通の人は。

「恥ずかしすぎる内容だからまだ分からないだろうけど、そういった所は
子供ができる。EDになったままのとこはできない。そうなると
子供ができたとこに、お前達が呪いをかけたんだろうという話になる」

「……そうですね。迷惑をかけるわけにはいかないから呪いを解いてこないと」

「まあ待って。そういう時は大々的にアイリーンがやったと知らしめてやればいい。
それで善政をしていたら呪いを解くとでも伝えてあげなさい」

「ですけど、そんなことをしたら私を探すために色々な所に迷惑がかかってしまうのでは」

まあ、短絡的にアイリーンを生け捕りにでもしようと、軍を向けそうではあるかねえ。

「何、この森に住んでいるって教えてあげればいいだけさ」

「そんな、ナイアさん達に迷惑かけるなんてできるはずないじゃないですか!」

勇者が口を挟む。あ、居たんだっけそういえば。
あんまり話の内容理解できていないっぽかったから放っておいたけど。
ちなみにおっさん達は畑作業を任せているので部屋には居ない。
あいつらむさ苦しいしね。
体動かせると喜んでいたからいいのだ。

「あっはっは、あの程度の連中にどうにかされる程やわじゃない。
あんた達は大人しくこの森で暮らしていればいいよ。後の面倒なことは
あてくし様がやってやるさ。魔王を倒したご褒美だ」

まったく人間世界はごちゃごちゃしすぎているな。
現実世界でやるな。欝臭くてたまらない。
魔王倒したんだからめでたしめでたしで終わりでいいじゃないか。
私様が何度も魔王やってた時は、やられた後にゃそういう風に終わるようにしてやっていたというのに、
最近の魔王は気が利かないな。

そういうことやっていいのはエロゲーとか小説とか漫画だけだと思うよ。うん。
数多くやられると飽きるから程ほどがいいけどさ。




さてさて、心の中で愚痴を言うのは止めにして、さっさと行動を起こさないとな。
やる事は簡単。

・貴族全員にアイリーンの呪いの件と現在の居場所を教える(魔王パワーで)

・超手加減攻撃をつけたヤサイーン達を森にの外周に大量配備

・多めな人数でやってきたら超手加減攻撃で撃退

これだけ。

超手加減攻撃を説明すると、ダメージが0だけど吹き飛ばせたりする色々と便利な特殊能力だ。吹き飛んだ後に何かにぶつかってもダメージ0なんですぜ。
今回配備したヤサイーン達は各種能力設定がアイリーンの10倍くらいにしてあるのでまず
突破できないだろーしね。

どうせ他にも色々と問題が起きるだろうけど、別に悪いことやってるわけじゃないので
私の勇者に襲撃されることはないから気楽でいい。今回の件はあいつにとっちゃ正義だしね。
あの勇者、こっちが悪いことやるとどこからともなくやってくるからなあ……









結局、軍隊は何度も森に進軍をしようとしてきたけど、
森に入ることすらできないまま退却していった。

元から善政をしていた人たちのEDはすぐに治ったし、EDを治すために善政を行った人たちが治っていったので。
EDの治らない人たちがこんなことをしている場合じゃないと気がつけたようだ。
今ではEDの治った人たちの政策を真似してなんとかEDを治そうと頑張っている

「しかし最近の私はEDED言いすぎな気がするなー」






あとがき
ろくでもないことを呟き第6話終了。
そして誰が得をするのか勇者のお供3人集の軽い人物設定。たぶんもう出ない。

お供その1 レベル48 40台前半のおっさん 筋肉筋肉 やたらと鼻息が荒い
お供その2 レベル36 40台後半のおっさん 贅肉贅肉筋肉筋肉 睡眠時無呼吸症候群
お供その3 レベル57 40台後半のおっさん 筋肉筋肉筋肉筋肉 腋毛が生えない


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