常総市の県立水海道一高1年の男子生徒(当時16歳)が07年8月、ハンドボール部の合宿中に熱中症で死亡した事故で、生徒の両親が部顧問の男性教諭に安全配慮義務違反があったとして県に約7194万円の損害賠償を求めた訴訟で、水戸地裁(窪木稔裁判長)は27日、両親の請求を棄却した。
裁判で原告は「試合中に水を飲むことを禁止するなど問題があった」と主張し、男性教諭の対応が争点となった。判決は「適切に水分補給するなど過失はない」と認定したうえで「熱中症を予見できたとは認められない」と、原告側の主張を全面的に退けた。
父親(49)は「悔しい。学校に責任がないというのは到底信じられない」と涙を浮かべ、原告代理人の弁護士は控訴する姿勢を示した。県教育委員会は「県の主張が認められた妥当な判決と考えている」とコメントした。【杣谷健太】
毎日新聞 2010年5月28日 地方版