民事再生手続き中の広島県出資の第三セクター「広島エアポートビレッジ開発」(HAV)は28日、広島市中区で取締役会を開き、造船業の幸陽船渠(せんきょ)(三原市)にゴルフ場事業を売却することを決めた。公募入札で選考し、同社が最高額の5億4500万円で落札した。
ゴルフ場は、広島空港(三原市)に隣接する「フォレストヒルズゴルフ&リゾート」。落札した幸陽船渠は、国内最大手の今治造船(愛媛県今治市)のグループ企業で、今治造船は愛媛、香川県でゴルフ場を運営している。
HAVは、3月25日の債権者集会で再生計画案が否決されたのを受け、ゴルフ場事業の売却でゴルフ場会員など債権者への弁済率引き上げを目指していた。幸陽船渠の落札額は最低希望価格3億5千万円を上回っており、現行の弁済率27・58%は数%引き上げられるとみられる。
ゴルフ場を売却するための入札には11社が参加の意向を示し、24日の入札には最終的に7社が応札した。HAVは弁護士や公認会計士を交えた選定委員会を設置。入札額をはじめ、ゴルフ場の運営実績、財務体質も加味し総合的に判断した。
HAVは、ゴルフ場事業売却を盛り込んだ新たな再生計画案をまとめ、6月2日までに広島地裁尾道支部に提出。再生計画案は同23日の次回債権者集会に諮られる。
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