静岡県熱海市などの観光ホテルを実質的に経営する東京の会社が、「保証金を預ければホテルの宿泊券がもらえるうえ、5年後に全額が戻ってくる」などと説明してリゾートクラブの会員を募って不正に資金を集めた疑いが強まり、警視庁は出資法違反の疑いで会社やホテルの捜索を始めました。これまでに200億円以上を集め、一部が暴力団の資金源になった疑いもあるとみて、捜査する方針です。
捜索を受けているのは、静岡県熱海市の観光ホテル「岡本ホテル」や系列の11のホテルを実質的に経営する東京・中央区の「オー・エム・シー」など数十か所です。警視庁の調べによりますと、オー・エム・シーは「保証金を預ければホテルの宿泊券がもらえる。宿泊券は使いきれなくても換金でき、5年後には保証金の全額が戻ってくる」と説明して「岡本倶楽部」というリゾートクラブの会員を募り、不正に資金を集めた疑いが持たれています。「オー・エム・シー」は集めた金で新たにホテルを買収し、事業の拡大につなげるとともにファンドなどでも運用すると説明していましたが、警視庁や関係者によりますと、数億円以上が使途不明になっているうえ、満期を迎えた会員の保証金が全額返還されるめどは立っていないということです。警視庁はこの5年間に200億円以上を集め、一部が暴力団の資金源になった疑いもあるとみて捜査する方針です。