“重要な証人不採用は違法”
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“重要な証人不採用は違法”

5月27日 23時58分

3年前、不動産業の男性を殺害した罪に問われ、無罪を主張している東京の経営コンサルタントの裁判で、東京高等裁判所は、裁判の前に証拠を整理する手続きで重要な証人を採用しなかったのは違法だとして、1審の懲役20年の有罪判決を取り消し、審理をやり直すよう命じました。

この裁判は、平成19年5月、東京・練馬区の経営コンサルタント、篠澤大介被告(38)が会社を共同経営していた不動産業の男性をほかの3人の男とともに殺害したとして、殺人などの罪に問われているものです。篠澤被告は「事件にかかわっていない」と無罪を主張していますが、1審は「被告が首謀者だという共犯者の証言は信用できる」として懲役20年を言い渡しました。27日の2審の判決で、東京高等裁判所の阿部文洋裁判長は「共犯者の証言が信用できるかどうかは重要な争点で、殺人事件の重大さを踏まえると、裁判の前に証拠を整理する手続きでは、証人の採用について慎重に判断すべきだった」と指摘しました。そのうえで、「共犯者とされる男から殺害を持ちかけられたという人物を証人として呼ばなかったことは違法だ」などと指摘し、1審の有罪を取り消し、東京地方裁判所で審理をやり直すよう命じました。