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原文は、下記。
若者にとって主要なメディアはインターネット=ケータイであり、PCやテレビは副次的なメディアになっているという指摘だ。ケータイは単に情報を「見る」端末ではなく、「書く」端末になっており、レポートや卒論までケータイで書く。ケータイの利用時間の半分以上は自宅で、PCはケータイで書いた文章を広い画面で確認する端末にすぎない。これは、書籍から引用している形だが、例によって、池田信夫が歪めている可能性が高い。
( → 池田信夫ブログ )
その根拠として、次の文章を引用しよう。
一回タッチタイピング覚えてからたまに携帯から打つと発狂しそうになる。要するに、パソコンでタッチタイピング(ブラインドタッチ)をするのに比べて、ケータイで文章を打つのは、気が狂いそうなほど手間がかかる。はっきり言って、手書きよりもずっと面倒だ。そんな面倒なことをあえてするのか? 若者はみんなそれほどの馬鹿ぞろいなのか?
↑の文もPCからだと5、6秒で打てるのに携帯だと50秒はかかる。
携帯から打ててるやつは尊敬するわ。
( → 2ちゃんねるのコピペ )
もちろん、そんなことはありえない。ケータイで打つのは、せいぜい短文だろう。twitter みたいな短文( 140字)なら、ケータイでもいい。( → ソフトバンクの方針:ニュース )
しかし、長文なら、手書きか、パソコンだろう。レポートや卒論みたいな長文を、ケータイなんかでやったら、ろくに文章を書けるはずがない。(せいぜいネット上の文章のコピペぐらいか。 (^^); )
ま、世の中には、ケータイ漬けが多いから、ケータイでレポートや卒論を書く大学生も、けっこういるだろう。
また、ブラインドタッチができない人も、半分ぐらいはいるだろう。( → 約40%が「ブラインドタッチ」できる )
とはいえ、大学生がみんなケータイばかり使うようになっていると見なすのは、大げさすぎる。大学生だって、まともな人は、パソコンのキーボードで入力しているはずだ。できないと、馬鹿にされたり。( → ブラインドタッチが出来ない大学生 )
確かに若者にとってケータイは不可欠であるようだが、その主用途は通信である。自宅において、パソコンがあるのに、わざわざスタンドアローンふうにケータイで文章を書くことではないだろう。そういうことも少しはあるにせよ、通例ではない。
文章を書くことまでケータイに頼るのが普通だと書くなんて、現実無視の暴論だろう。自分がいくら無線好きだからって、誇張しすぎている。
[ 付記 ]
オマケで言うと、池田信夫は、次の話も記している。
新聞などの旧メディアにはまったく関心がないが、「活字離れ」は嘘で、毎日平均100通ぐらいのメールを読み書きし、膨大なテキスト情報を処理している。これは誤読。
「活字離れ」というのは、「印刷された文字・離れ」ということだから、「新聞・雑誌・書籍から離れる」ということだ。メールやブログのテキスト情報は、活字ではない。メールなんて、内容面で言えば、手書きと同様だ。そんなものをいくら読んでも、活字情報を読むような効果はない。
池田信夫は、「活字離れ」を「文字離れ」と誤解しているようだ。その誤読癖を何とかしてもらいたいものだ。これだから、彼の引用には、信頼がおけない。
[ 参考 ]
ブライドタッチは、練習すれば、たいていの人ができるだろう。とはいえ、できない人もいるだろう。そういう人には、前項。(下記)
→ ブラインドタッチができないなら
※ ブラインドタッチができないほど不器用が、器用な人よりも
上手にブラインドタッチができるようになるための、奥の手。
初めてのメールは10代が「パソコン」、20代は「携帯電話」―携帯電話ユーザーのパソコン利用に関する調査(16)
>さらに、性別・年代別で詳しく調べてみると、10代女性は100.0%、10代男性も90.9%と、ほかの年代に比べ「パソコン」との回答が多くなっている。逆に20代は、「携帯電話」との回答が女性57.7%、男性43.7%で、ほかの年代に比べ多く、10代と20代で Eメールの使い始めに大きな差が生じている。
http://japan.cnet.com/research/column/webreport/story/0,3800075674,20396743,00.htm
PCとモバイルの検索に関する比較調査--10代でもPCほど積極的に利用しないモバイル検索
>10代でもモバイル検索の利用率は50%以下