ここから本文エリア 宮崎牛ブランド 鳥取で支える2010年05月28日
家畜伝染病の口蹄疫(こう・てい・えき)の被害が大きい宮崎牛ブランドの助けになるかもしれない牛が鳥取にいた。独立行政法人「家畜改良センター」の鳥取牧場(琴浦町出上)で育てられている宮崎牛系統の7頭の種牛候補だ。(宋潤敏) センターは種牛の供給を担い、鳥取牧場では計24頭の種牛候補を所有している。うち4頭が「安平(やす・ひら)」の血を父方から受け継ぐ孫、3頭はひ孫にあたる。「安平」は約20万頭の子牛を世に送り出し、冷凍精液が盗まれる事件も起きた宮崎県の伝説の種牛。口蹄疫の感染拡大を防ぐために殺処分されることになった種牛49頭の中の1頭だ。 孫の4頭はいずれも社団法人「家畜改良事業団」などが持つ安平の子どもの精液を使い、鳥取牧場で飼育する但馬牛系統の雌牛との間にできた。センターは宮崎県小林市、北海道音更町の牧場でも黒毛和種の種牛候補を育てるが、宮崎牛直系と言えるのは宮崎県外では鳥取だけだ。 4頭の孫牛のうち1歳2カ月の種牛候補は6月に入札にかけられる予定だったが、農林水産省とセンターは当面牧場に留め置くことに決めた。宮崎牛系統の種牛が途絶えた非常時に備えた特別処置だが、入札直前で対象から外れるのは異例。今後、宮崎県からの要請があれば無償譲渡も検討するとしている。 鳥取牧場の菊池工(たくみ)・種畜課長補佐は「宮崎牛の種牛がなくなるかもしれない非常事態。ブランドの維持や再興に少しでも役立ててほしい。ほかの3頭についても要請があれば譲渡や貸し出しを検討したい」と話している。
マイタウン鳥取
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