2008年03月15日
タクティクスオウガ2−4巻感想
バルマムッサシンドロームに侵されて――ロンウェーとデニムの精神は病んでいく。けっきょく、あの負い目が彼らを焦らせる結果につながり、スウォンジーの敗北を招いたのだから笑えない。罪が重いからこそ罪の意識は切り捨てて戦っていかなければならないのだ。
そしてレオナールの意志を受け継ぐことが、おのれを棄てしゴリアテの英雄デニム・パウエルを完成させていった。どこまでも一人の英雄の物語であり、ヴァレリア島の歴史には深く介入していかなかったのは漫画という媒体の限られた視点を考えても正解であったように思う。これから先は宗教が絡んできたり、歴史の比重が大きくなっていくからなぁ。納得できる落ち着きどころだったと思われる。
あと、Cルートで公爵が勝利したのはデニムがヴァイスのようにバルマムッサの真実を吹聴したりはしなかったからだと気付く。単純にヴァイスが有能だった可能性もあるが、ロンウェーの焦り具合はだいぶ違っていただろう。
そういう意味で、ウォルスタ指導者の後悔と若き英雄の後悔は大きく異なる。まぁ、死んでもしかたない豚であったことは認めざるをえない――彼のファンっているのかなぁ。
アロセールは私情を棄て切れない弱い人間として描かれていて、カチュアと重ねられる部分が非常に大きかった。やはり彼女を斬り殺したことは決定的な象徴にされている。ナディアの死体といい、女性にも容赦しないのは女性作家ゆえのメリットかもしれない。
それでもカチュアの変貌は描かれなかったわけだが、松葉先生の次の作品が「チェンジ」であることを考えれば……いろいろと思うところは浮かんでくる。いっそあのまま一緒に逃げちゃいたくなるくらいめんこい娘さんじゃけんどのぅ。
けっきょくデニムが救いたいのはアロセールやカチュアのような心優しく情の厚い人々であるはずなのに、彼女たちを犠牲にしなければ大望が果たせない矛盾が心を切り裂いていた。出会ったためにアロセールやカチュアも「おのれ」の一部となってしまい「棄てる」破目に陥ったのだとすれば悲劇というほかない。
それでもデニムは前進する。
タクティクスオウガ1巻感想
タクティクスオウガ (4)
そしてレオナールの意志を受け継ぐことが、おのれを棄てしゴリアテの英雄デニム・パウエルを完成させていった。どこまでも一人の英雄の物語であり、ヴァレリア島の歴史には深く介入していかなかったのは漫画という媒体の限られた視点を考えても正解であったように思う。これから先は宗教が絡んできたり、歴史の比重が大きくなっていくからなぁ。納得できる落ち着きどころだったと思われる。
あと、Cルートで公爵が勝利したのはデニムがヴァイスのようにバルマムッサの真実を吹聴したりはしなかったからだと気付く。単純にヴァイスが有能だった可能性もあるが、ロンウェーの焦り具合はだいぶ違っていただろう。
そういう意味で、ウォルスタ指導者の後悔と若き英雄の後悔は大きく異なる。まぁ、死んでもしかたない豚であったことは認めざるをえない――彼のファンっているのかなぁ。
アロセールは私情を棄て切れない弱い人間として描かれていて、カチュアと重ねられる部分が非常に大きかった。やはり彼女を斬り殺したことは決定的な象徴にされている。ナディアの死体といい、女性にも容赦しないのは女性作家ゆえのメリットかもしれない。
それでもカチュアの変貌は描かれなかったわけだが、松葉先生の次の作品が「チェンジ」であることを考えれば……いろいろと思うところは浮かんでくる。いっそあのまま一緒に逃げちゃいたくなるくらいめんこい娘さんじゃけんどのぅ。
けっきょくデニムが救いたいのはアロセールやカチュアのような心優しく情の厚い人々であるはずなのに、彼女たちを犠牲にしなければ大望が果たせない矛盾が心を切り裂いていた。出会ったためにアロセールやカチュアも「おのれ」の一部となってしまい「棄てる」破目に陥ったのだとすれば悲劇というほかない。
それでもデニムは前進する。
タクティクスオウガ1巻感想
タクティクスオウガ (4)