2010年3月の北九州市内の路上生活者数は3カ月前と比べ24人減の141人で、調査開始の01年以来、最低となる一方、09年度中に新たに路上生活者となった人は前年度に比べ127人増えていることが同市ホームレス自立支援推進協議会(山崎克明会長)の会合で27日、報告された。
協議会を構成するNPO法人「北九州ホームレス支援機構」の森松長生常務理事は「市とNPOによる共同の取り組みの結果、路上生活者の数は減ったが、失職などで路上生活に転落している人は依然多い。支援の手はまだまだ必要」と分析している。
市内の路上生活者数は、04年7月の434人をピークに減少が続き、これまでの最低は08年9月の152人。その後、世界同時不況の影響で一時200人近くに増加したが、同機構が委託運営するホームレス自立支援センターを経て就労した人や、市が生活保護支給を強めたことが奏功し、最低を更新したという。
同機構が09年度の1年間に路上生活者を対象にした巡回相談で新たに名簿に登載した「新顔」は519人に上り、前年度の372人から大きく増加。若年層が失職して一度路上生活し、新たに就労したり、「ネットカフェ難民」に戻ったりするケースなどが増えているのが要因とみられる。
=2010/05/28付 西日本新聞朝刊=