福岡市は27日、就学前児童を対象にしてきた医療費(入院費と通院費)の無料化について、入院費に限り小学6年まで拡大する制度を来年1月1日から始める、と発表した。所得制限は設けない。
新たに対象となる小学1-6年の世帯には、市が10月上旬ごろに申請書を送付する予定。必要事項を記入し、11月上旬ごろまでに返信するか区役所に持参すれば、12月上旬ごろに医療証を送るという。医療証と健康保険証を医療機関の窓口で提示すれば、支払いが不要となる。
小学6年までの対象拡大は、吉田宏市長が、今年9月から小学3年まで拡大する条例案を3月市議会に提出したのに対抗し、市議会最大会派の自民党が提出した修正案で、市議会の賛成多数で可決された。
市保険年金課によると、対象者は小学3年までの場合だと約3万8千人だったが、小学6年まででは約7万人となる。同課は「市長案より対象者が倍増したが、本年度の実施期間が短縮されたため、予算内で対応できる」としている。
就学前児童は申請の必要はなく、従来通り、入院費と通院費が無料化される。また、市は「乳幼児医療費助成制度」としていた制度名を、「子ども医療費助成制度」に変更した。
=2010/05/28付 西日本新聞朝刊=