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大学でサブカルを学ぶ!? 明治大学がマンガに接近!

サイゾー5月27日(木) 12時10分配信 / 国内 - 社会
 マンガを含むサブカル文化を、国を挙げて盛り上げる風潮が続く中、東京六大学のひとつである明治大学が、「東京国際マンガ図書館」(仮称、開館目標2014年度)の設立を目指したり、08年には国際日本学部を新たに設けて日本のサブカルチャーを研究する授業を開講したりと、マンガ文化の取り入れに積極的だ。特に、東京国際マンガ図書館はマンガ誌や同人誌、アニメのセル画や関連グッズ、アーケードゲーム機などのアーカイブ、さらには催事場を擁する 8500平方メートル規模の大型施設を想定した大々的な取り組みである。

しかし、芸術大学ではない明治大学が、マンガ文化の保存や研究に積極的に取り組む真意は、どこにあるのだろう? 計画を推進する同大学の森川嘉一郎准教授(国際日本学部)はこう語る。

「この計画の発端は、私が04年のヴェネチア・ビエンナーレで日本館のコミッショナーを担当し、『おたく』をテーマに展示を組んだことにさかのぼります。その後、この展示を含め、マンガ・アニメ・ゲーム文化を保存するアーカイブ施設をつくる話に発展。施設の場所を探していたのと同時期に、たまたま明治大学の新学部(国際日本学部)設置にかかわることになりました。そこで、この施設計画を伝えたところ、駿河台キャンパスの再開発を予定している区画の中で、施設を実現できれば、という話になったのです」

 現在は、先行施設である「米沢嘉博記念図書館」がすでに開館(東京国際マンガ図書館完成後、収蔵品はそちらに移転予定)。コミックマーケットの2 代目代表で、自身もマンガ収集家だった米澤嘉博氏は、06年10月に逝去したが、アーカイブ計画にもかかわっていた。また同学部では、森川氏をはじめ、マンガ研究家の藤本由香里氏なども准教授として迎え、日本のマンガやアニメを研究する授業を展開している。

「これらは明治大学の国際化の一環でもあります。海外に何かを発信するには、日本に関する教養や素養を身につけるのが必要だとして、当学部では英語教育のほかに、伝統的なものから現代に至るまでの日本文化に関する教育を行います。また、海外から日本に来る留学生は、マンガやアニメがきっかけで日本に関心を持った人が多い。これを体系的に教える科目を持つことは、留学生を多く迎える上で重要なポイントになります。さらに、文科省が主導する『グローバル 30』という、30万人の留学生受け入れを目指す政策がありますが、この重点校のひとつに明治大学が入っていることも一連の流れをなしています」(森川氏)

 京都精華大学や東京工芸大学など、マンガに関する学部・学科を持つ大学の多くは作家教育が主体であるのに対し、明治大学では、海外に日本の文化を発信・プロデュースするための素養を身につけるという観点から授業を展開するのだそう。しかし、少子化で若者の数が減る中、マンガを教養として教育に盛り込むのは、学生集めのための話題作りでは? と勘ぐってしまうが……。

「確かに今年、明治の受験者数は早稲田大学を抜いて1位になっていますが、不況の今、受験生の目を引く魅力としては、就職支援に力を入れていることが大きいと思います。マンガに関する取り組みは、むしろ国際化に軸足があります」(同)

 一方、安くはないだろう新施設の設立費用をどこから捻出しているのかという疑問には、「基本は学内の予算です。明治大学は今回の不況で他大学に生じたような資産運用の失敗がなかったんです」(同)とのこと。日本の現代文化を研究する学生はもちろん、神保町という土地柄、出版関係者も足を運ぶことが予想される。仕事の資料でマンガを使う身としても、うれしい施設になると期待したい。
(朝井麻由美)

【明治大学】
東京都千代田区神田にメインキャンパスを置く私立の総合大学。創立約130年の歴史を持つ。学内施設として〈明治大学博物館〉を持ち、“拷問博物館”と呼ばれる拷問器具の展示部門を持つことで、一部で有名。

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  • 最終更新:5月27日(木) 12時10分
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