米軍普天間移設問題。「本当か」と尋ねた記者に「ちゃんと話を聞いていたの?」と怒りだしたという。だが、会場の参加者はもっとじれったかったに違いない。失笑が漏れた。
22日、鹿児島市。国外移設を求める集会で、民主党鹿児島県連の川内博史代表は持論のテニアン移設をぶち「首相の心の内は国外」「5月末決着は外務省や防衛省に言わされた」と熱弁を振るった。翌日、当の首相は沖縄であっさり辺野古移設を表明。5月末決着を首相が言いだしたのも疑いの余地はない。川内氏は首相側近を自任するが、首相は予測と真逆に動く。
これが、徳之島移設案が発覚した1月から続く。県連は「正確な情報か」と疑い、移設反対集会も欠席した。政府側が島の町長や住民と面談を重ねた後に「心の内は‐」と聞かされて、本当かと問うのがそんなに罪なのか。周囲を振り回す意味では確かに首相の側近だ。 (中西)
=2010/05/27付 西日本新聞朝刊=